bekiranofuchi’s blog

社会を独自の視点で描いてみたいという男のつぶやき。

政治

戦後民主主義の命日に流れる唄がない。

白内障の手術が終わり不自由な片目を開けて病室の天井を見つめていると静寂な夕暮れの窓外に雨音が聞こえてきました。電気スタンドの明かりを消して眼を閉じると耳もとに西田佐知子の「アカシアの雨がやむとき」がかすかに聞こえてくる気がします。昭和35…

日本をどういう国にしたいですか?

まず「日本をこういう国にしたい」というテーマは国家のあるべき姿すなわち理想像を語ることと私は理解します。 その前提として、そもそも国家は自主独立した主権を持つ国家でなくてはなりません。 ところが日本の現状は首都の制空権さえままならぬ国家主権…

国会閉会で安倍総理の空虚な記者会見

今日は国会の最終日でした。 参院選を前にして安倍総理の口から「消費税増税を延期する」との一言が飛び出すのではないかと期待していましたが、淡き夢でした。 国会を終え参院選を前にした安倍総理の記者会見をラジオで聞いていました。 年金や憲法を参院選…

メイはハムレットか。

「愛する国に尽くす機会を得たことを感謝する」英国のメイ首相は辞任表明をした。国家と民主主義そしてグローバリズムのトリレンマ。その狭間で彼女はハムレットたることを選んだ のか。 ブレグジットで指摘されるのはもっぱらEUからの離脱による経済問題で…

二・二六に思う。

二・ニ六事件から83年目の2月26日がやってきました。 近ごろ思うことですが、あの出来事は失敗に終わった軍部クーデタ事件などではなく日本の針路を方向づける大きな岐路であったのではないかということです。 その理由は、二・二六事件の本質とは軍部クーデ…

北方四島について。

北方領土問題について大前研一氏の気になる論説を目にいたしました。 「北方4島について、日本政府はずっと国民を騙している」というものです。 要約しますと、以下のようなものです。 ・日本敗戦後にソ連(今のロシア)が北海道の分割を要求した。・そこで…

日本は衰退する。

ローマ共和制国家、マヤ都市国家、ソビエト共産国家、名誉革命以降のイングランドなど輝かしき繁栄を歴史に刻んだ国が衰退した要因は何か。それは収奪的な政治制度(権威主義、独裁的)と収奪的な経済制度(高賦課税、中央指令型計画経済)である。さらに為政…

沖縄県知事かく戦えり

平成最後の夏に翁長沖縄県知事が亡くなられた。 オール沖縄のスローガンを掲げて前知事を破り沖縄県知事に就任してから約4年。まさに孤軍奮闘そして獅子奮迅の政府との闘いであった。日本全土の0.6%に過ぎぬ沖縄の土地に在日米軍基地の70%が配置されている。…

「政治の変質―理念から取引へ」

ベルリンの壁が崩壊した『歴史の終わり』からすでに四半世紀が経過しました。 しかし、政治の現状をみるにつけこれが歴史に勝利した自由民主主義のあるべき姿なのかと嘆息せざるをえません。第二次大戦後、戦勝国アメリカは自由と民主主義という政治理念を高…

北朝鮮をめぐる地政学的考察と日本の失敗

北朝鮮をめぐる国際情勢の動きは地政学的なアプローチだけでなく地経学的分析も必要だと思います。 まず地政学の本質が領土の征服から接続優位性に変化していることに目を向けるべきです。 先の大戦で明らかになったことは領土征服が必ずしも国益にはならず…

森友問題の本質は民主主義国家の権威喪失と崩壊である

森友問題に関連して衆参両院の予算委員会で佐川前国税庁長官に対する証人喚問がおこなわれました。ラジオの実況中継を聴きながら思ったこと、それは権威に追従しその意向を忖度することで生き延びてきた庶民の盲点を突き問題の本質を外した政官共謀とも思え…

見失われる森友騒動の本質

国有地取引に関する決裁文書の書き換え報道が全国を駆け巡っているようです。 ことは、昨年の森友騒動に関して財務省が国会議員に開示した決裁文書です。 これとは別の決裁文書が複数存在することを財務省が認めたというはなしです。 たしかにこれは国権の最…

『日露戦争、資金調達の戦い―高橋是清と欧米バンカーたち 』ー書評

幼いころ明治生まれの祖父の膝の上で映画「明治天皇と日露大戦争」をみてなぜか目頭が熱くなった記憶があります。 数十年ぶりにその感動が明治の日本人像という記憶で蘇りました。...日露戦争を陰で支えた黒子ともいうべき高橋是清、獅子奮迅の物語です。 決…

《二・ニ六事件の謎》

今日は二・ニ六から82年目の2月26日。 この事件が未だ謎であることを指摘してみます。 歴史教科書では、次のような説明をしています。 「政治的発言力を増した陸軍の内部では、隊付きの青年将校を中心に、直接行動による既成支配層の打倒・天皇親政の実現を…

『政治の起源』–書評

「歴史の終わり」のフランシス・フクヤマの著書。新世紀の幕開けを告げたオレンジ革命もアラブの春もその思惑とは異なり政治の迷走がいまだ止まない。ベルリンの壁の崩壊にともない期待された歴史の終わりは訪れず、勝利したはずの民主主義は今やますます混…

定年延長は望ましいことなのか

給与「60歳の崖」緩く 定年延長、人手確保へ8割維持。 今朝の日経新聞は、定年を延長してさらに給与の減額を緩やかにする企業が増加していると報じています。このような動きの底流に国家社会主義の影を感じつつ政府の意向を極度に忖度してはいないか、長期…

『幼児教育の経済学』ジェームズ•J•ヘックマン著ー書評

人間と経済の関係を出生率1.8などと無機質な数値でしか把握できず、公平性と効率性は公的投資における二律背反命題だなどという国の問題点がよくわかります。 また17歳以下の子供の貧困率が16.3%という日本の公共政策に携わる人のみでなく幼少期の子供、孫を…

擬似西洋国家の没落

1989年秋あの歓喜と自信に満ちたベルリンの夜明けはどこに行ってしまったのか。世界をリードしてきた西洋はなぜ没落しつつあるのか。公的債務は若者にツケを回し古い世代が安逸に暮す手段と化し、本来なら活気ある社会では革命を起こす力を持つエリート層は…

「この国は国家社会主義に向かうのか」

この数年にわたり気になる問題があります。それは、おおくの大手企業が増収増益を継続的に達成しているにもかかわらず従業員の賃金が上がらないという。これではデフレ脱却ができないというので政府が賃上げ目標を設定して税控除のニンジンまでぶら下げて企…

「希望の党」とはだれの希望なのか。

東京都知事の小池百合子が国政に進出宣言をしました。 彼女にはもって生まれた才能があると思います。それは機を見るに敏で行動力があることです。その才能は政界入り後まさに風見鶏のように空気を読んで所属政党を渡り歩きそのつど機会を逃すことなく防衛大…

三ヶ月の物語。

心温まる後日潭があります。クルド系シリア人の男児で3歳のアイラン・クルデイの遺体がトルコの人気リゾート地の海岸に打ち上げられ家族4人で一人残された父親アブドッラー。アブドッラーの一家は空爆のダマスカスを逃れトルコに逃亡。そこでカナダへ渡るビ…

昭和45年という時代を抉り取った歌手 2

昭和45年4月には「圭子の夢は夜ひらく」7月には「命預けます」と連続してヒットを飛ばした。そして藤圭子は昭和45年の一年間で燃焼してしまったのだ。 ゲバラ、サルトルそして朝日ジャーナルに象徴される革命的未来に若者たちは憧れた。そんな輝かしいユート…

民主主義と資本主義、閉塞の原因は何か。

「自由と平等」は民主主義と資本主義の根幹をなす主要な共通理念だと思われます。 しかし自由と平等とはそもそも併存しうる理念なのでしょうか。 中国など一部の国を除き世界の国々では資本主義と民主主義を共存させ国家運営の駆動力として社会の近代化を図…

中坊公平先生の想い出

夏の京都に中坊公平先生をお訪ねしたことがある。 それは平成16年、ある仕事のお願いに伺った時のことだ。 先生が面談に指定された場所は大文字町の一角にある旅館だった。 うだるような暑さのなか額の汗をぬぐいながら約束時間よりかなり早めに到着した。 …

任侠映画を超えた日本映画の最高峰「総長賭博」

三島由紀夫いわく「これは何の誇張もなしに『名画』だと思った。」ギリシャ悲劇を超えたと絶讃した作品です。三島が絶賛したのもむべなるかなで一部の隙も無駄もなく日本文化の清華を下敷きに日本社会の悲劇を描き出しています。 組織(義理)と個(人情)の葛藤…

共謀罪法案とアカシアの雨

共謀罪法案が今日6月15日に成立しました。 安保法案、特定秘密情報保護法、個人番号法と一連の情報統制法案の締めくくりとして の共謀罪法です。これにより国家統制体制への法的整備が終了となるのでしょう。 戦後の焼け跡から営々と築き上げてきた日本の…

自虐史観のどこが悪いのか。

日本が戦った大東亜戦争のおかげで多くのアジア植民地は独立することができたのである。それなのに日本に感謝するどころか逆に謝罪を要求するとは恩知らずだという人がいますが、それは日本人が言うことではないでしょう。 ヤマトタケルのように卑劣で残虐な…

高等教育の無償化に反対する。

「高等教育の無償化」反対ですね。日本の歴史を通じて今ほど文化が薄っぺらになり教養ある階層を喪失した時代はないでしょう。教育と教養は別でありまた文化と近代化も別ものです。政治的作為か否か、この識別をせずに混同させたままいまに至る戦後70年。そ…

米中関係と「召使」

「中国と米国の関係は正式なものではなく、もちろん結婚ではない。同意の上での同棲ですらない。中国が単に地下室に引っ越してきて使用人として働き始めたようなものだ。そうした関係の危険性は『召使』に描かれている。主人は世間をよく知る人として社交界…

石原慎太郎論ー嫉妬と羨望そして「あらまほし」

父を亡くした長男の石原慎太郎が公認会計士をめざして勉学に励む傍らで弟裕次郎がくり広げる奔放で野放図なブルジョア的青春。 それは日夜机に向かう慎太郎の羨望を秘かに掻き立てたに違いない。 そのプライドゆえに自分にはできようもない破天荒で反倫理的…