bekiranofuchi’s blog

社会を独自の視点で描いてみたいという男のつぶやき。

文化

甲子園大会はナショナルな祭事だ。

お盆と敗戦記念日にまたがるこの期間に夏の高校野球は開催されます。日本の8月は6日、9日、15日です。日本人が祖先や故郷そして祖国に想いを致す時季なのです。そのような感傷的な季節だからこそ、科学的で経済合理性過多の日常から抜け出したいのです。灼熱…

日大アメフト部騒動にみる義理の悲劇

日大アメリカンフットボール選手のレイト・タックル事件が巷の話題となっている。 昨日おこなわれた本人の記者会見をみると愚行はどうも本人の意志ではなかったようだ。 この不祥事にたいする日大の一連の対応はあの戦争末期に起きた特攻隊の悲劇を想起させ…

「淑女は何を忘れたか」-映画評

この名画が日経の日曜版ではコメデイと紹介されていました。実はコメデイに偽装して戦前のエリートを笑い飛ばした市井映画なのです。なによりも桑野通子には度肝を抜かれます。そのハツラツさは小津の遺作「秋刀魚の味」冒頭の岩下志麻を彷彿とさせます。 桑…

「昭和残侠伝ー死んで貰います」 映画評

「止めはしないわ・・でも次は私だけの義理に生きて・・」と死地にむかう高倉健に縋る藤純子。匂うほどの艶かしさで演じた藤純子の演技がひときわ感動を誘います。義理に命を賭ける惚れた男への羨望とあきらめきれない想いを籠めた一言でした。恥ずかしながらこ…

俳優ー松方弘樹

「おやじさん、云うとってあげるが、あんたは初めから、わしらが担いでる神輿じゃないの。組がここまでなるのに、誰が血流しとるんや。神輿が勝手に歩けるいうんなら、歩いてみないや、のう!」「仁義なき戦い」第一作。松方演じる坂井鉄也が金子信雄演じる…

『秋の思想』ー河原宏〜書評

歴史はこざかしい認識論などで解するものでない。それは誠実さを尽くして生きかつ死んだ人の記憶とそれを追慕する人間像であると主張した著者の遺作。 源実朝から三島由紀夫まで情と志に生きた「人」の思想をその時代、社会背景から浮き彫りにする。 歴史観…

『コンテキストの時代』-書評

スマートフォンを失くすくらいなら自動車を失くした方がましだ!冗談ではなくそうかも知れないと思う人が少なからず存在するのではないだろうか。 急増するインターネット接続依存症その媒介助長機能として縦横無尽のスマートフォン。なぜか手許にスマートフ…

『帳簿の世界史』-書評

会計が文化の中に組み込まれた社会は繁栄してきた。この主張を裏付けるヨーロッパ政治社会史の手引書ともいうべき本です。その解析手法は秀逸で気楽な読み物として登場する人物、逸話への興味は尽きません。 無理を承知で勝手な時系列で要約をしてみます。 …

『暴力の人類史』-書評

西欧を主軸とした暴力(殺人を除く殺し合い)の歴史とその分析から人類の精神発展史ともいうべき論理を展開しています。 歴史学者をはじめとする暴力に関する膨大な資料を精査分類して古今東西の哲学から認知科学、進化心理学までの知見を駆使し分析したその…

『イエス・キリストは実在したのか?』  レザー・アスラン著 ー書評

実際のイエスは平和と愛を説いた救世主や宗教家ではなく、ローマ帝国とその権力に迎合したユダヤ教に対する武力闘争をも辞さぬ革命家であったことを明瞭に示した一冊。 イエスの死後そのメッセージを伝えるべき使徒は読み書きもできない農夫や漁師であり代わ…

書評『ハロウイーンの文化誌』

1938年10月30日、100万人が避難したといわれる米国CBSの火星人襲撃放送。じつはハロウィーン向けラジオ放送だった。 黒猫、魔女、カボチャというハロウィーンの主役三点はポーの「ユーラルミー」ホーソンの「ヤンググッドマン・ブラウン」アーヴ…

書評 「Q」ルーサー・ブリセット

1517年、ルターはローマ教会に抗議してヴィッテンブルクの教会に95か条の論題を張り出した。贖宥状批判に端を発した宗教改革運動はドイツ騎士戦争から農民戦争へと紛争は神聖ローマ帝国全土に拡大しシュマルカルデン戦争を経て1555年アウグスブル…

『シグナル&ノイズ』 書評

著者は統計専門家にして「マネー・ボール」で有名な野球データ分析会社の予測モデルPECOTAの開発者。2008年の米国大統領選挙の結果を予測し50州中49州を的中させたと解説にある。 ビッグデータの時代というが多くの予測が失敗をするようになった。 多くの失…

自動車のEV化に日本企業はついていけるか?

米国駐在から帰国した20年以上前のことです。なにげなくTVをつけると「モノより思い出」というナレーションが耳に飛び込んできました。TV画面に目をやると湖を前に車を止めた両親が車からランチボックスを降ろすと小さな子供と手をつなぎ楽しく野原に向かい…

『東ベルリンから来た女』ー国家への別離を静謐に描く名画。

とにかく題名がいい。(原題はBarbara)東ベルリンというだけで哲学的でミステリアスな雰囲気が漂う。1980年東ドイツ、東ベルリンから田舎の病院に左遷された小児科女医が主人公。落ち葉舞う侘しい街路の一角、病院前でバスから降り立つ主人公、古びた病…

カープ女子は現政権への異議申し立てである。

(3年前の投稿) 南海ホークスが消滅してからというものプロ野球への関心は薄れていた。しかし巨人や阪神など人気球団が札束を積んでこれみよがしに地元フアンと球団が相携え育てた広島カープの選手を強奪していく、その傲慢な姿に憤慨していた。 福島原発の…

大震災に思う記憶と記録

震災という非常時の只中で被災した人が記録などとっている余裕はまずないでしょう。 そこで被災した人の記憶が継承され震災が語り継がれることになります。 ところが伝言ゲームに見られるように記憶が伝聞されると尾ひれがついて事実が歪曲されることがあり…

日本エンカ論。

演歌の北島三郎、都はるみ。 艶歌はちあきなおみ、美空ひばり。 援歌の水前寺清子、村田英雄。 縁歌は三波春夫、千昌夫。 遠歌の春日八郎、井沢八郎。 怨歌は梶芽衣子そして恨歌は藤圭子だった。

サザエさんと演歌の花道

日曜日の午後はいつも憂鬱な気持ちになった。夕暮れ時になると近隣のTVからサザエさんのテーマソンが華やかに聞こえてくる。すると月曜からはじまる暗澹たる仕事と今の茶の間の明るさとに大きな落差を感じた。日曜の夜があけると一転する己の境遇を嘆かざる…

ルネッサンス2.0へ。

英国の国民投票でEU離脱が決定してから一年が経過しました。しばらくは政治と経済の動揺がしばらく続くでしょう。しかしこの問題の本質は政治経済問題ではなく文化問題にあると考えます。これをからはフランスはじめ欧州各国では自国文化と歴史の再評価の動…

中坊公平先生の想い出

夏の京都に中坊公平先生をお訪ねしたことがある。 それは平成16年、ある仕事のお願いに伺った時のことだ。 先生が面談に指定された場所は大文字町の一角にある旅館だった。 うだるような暑さのなか額の汗をぬぐいながら約束時間よりかなり早めに到着した。 …

共謀罪法案とアカシアの雨

共謀罪法案が今日6月15日に成立しました。 安保法案、特定秘密情報保護法、個人番号法と一連の情報統制法案の締めくくりとして の共謀罪法です。これにより国家統制体制への法的整備が終了となるのでしょう。 戦後の焼け跡から営々と築き上げてきた日本の…

昭和45年という年を抉り取った歌手 1

学生時代一年ばかり新宿西口の近辺に住んでいたことがある。当時の西口は淀橋浄水場が埋め立てられ京王プラザホテルを筆頭に高層ビル街建設の最盛期だった。早朝から槌音が響き建設労働者の汗が陽光に湯気を立て夕方になると駅近辺の酒屋の店先は立ち飲み酒…

高等教育の無償化に反対する。

「高等教育の無償化」反対ですね。日本の歴史を通じて今ほど文化が薄っぺらになり教養ある階層を喪失した時代はないでしょう。教育と教養は別でありまた文化と近代化も別ものです。政治的作為か否か、この識別をせずに混同させたままいまに至る戦後70年。そ…

日本文化論

私は、文化というものは伝統や芸術など民族の歴史から派生した生活様式を総括した呼称だと思います。そこで生活様式の基本、または、原点というべきものは何かというと、それは「思考様式」であろうと考えます。そして思考様式とは次に述べるようなものでは…