資本主義
物価高騰に困窮する庶民の救済と称し岸田首相自ら音頭を取り旗振りをした給料アップ政策。 かつては安倍政権も脱デフレ・景気浮揚策の一環として政府主導の賃上げを図ったことがある。 しかし魅力ある消費対象のない日本で多少給料が上がっても破綻した福祉…
まず資本主義と市場経済とは異なるものであるという私の見解をご説明します。 市場経済とは、貨幣(M)の仲介によって財(C)を交換する方法: C―M―C‘ 資本主義とは貨幣を使ってより多くの貨幣を獲得する術策 : M―C-M‘ 市場経済は、明瞭で透明でわずかな利潤…
政府は昨日、岸田首相の目玉政策である「新しい資本主義」の実行計画案を公表しました。 その計画によると、官民連携のもとで経済成長を目指すとして、「人」、「科学技術・イノベーション」、「スタートアップ」、 「グリーン、デジタル」の4分野に重点的な…
資本の果てしなき増殖のため、 人工的なバブル創出を繰り返してきた資本主義が近ごろ注力しているのは、惨事便乗型資本主義(略奪による蓄積と新自由主義的経済政策の押し付け)のようです。その最終版ともいえるのが脱炭素化に向けた再生可能燃料へのエネル…
GDPとは、一定期間内に国内で生産された財とサービスの付加価値の合計額を示し、国の経済規模や健全性を表す指標である、と一般的に定義されています。 そしてGDPの増加率がすなわち経済成長率とされているようです。 しかし生活の質が向上して経済成長した…
先日、気候変動問題に関する世界会議COP26が英国グラスゴーで開催されました。 この会議には日本から岸田首相が参加、2050年カーボン・ニュートラル達成への日本国の決意、そしてアジア諸国のエネルギー・トランジションに最大1000億ドルの支援を行う意向を…
自民党の総裁選挙は、実質的には一国の為政者を選出する選挙にもかかわらず、国のリーダーとして提示すべき国家ビジョンが語られぬまま総裁選は大義なき戦術論に終始して総裁が決定された。直後の衆議院選挙も保守政党と野党によるお定まりの馴れ合い政権奪…
資本主義の原点は負債に始まると言われます。そのため資本の論理とは、資本の増殖を絶え間なく継続していくことになります。このためには資本の増殖率=利子率はプラスであることが必要です。そしてアベノミクスが2%に固執したように利子率=利益率が2%を…
まず一番の問題は、政治というものが政治家と既得権益層が主体のものになっていることです。つまり主権在民と憲法ではうたいながら、肝心の国民という主語なき政治が横行しているということです。大阪都構想も大阪市民からの発案ではなく政治家を騙る詐欺師…
経済成長率とは何でしょうか。それは換言すると資本の利益率です。 これが2%を下回ると資本が得るものはゼロといわれています。 アベノミクスの経済成長率の目標がなぜ2%なのか、 その根拠につき当初から政府の説明はなくマスコミ、経済学者などからも明確な…
国家経済は、民間部門と政府部門そして海外部門から成り立っています。そして、それぞれの部門に収支がありますから三部門の総収入と総支出の合計が恒常的にプラスであれば国家経済は成長できるはずです。 そうであれば、 民間部門の収支+政府部門の収支+…
今年のアカデミー賞四部門を受賞した映画「パラサイト 半地下の家族」を観ました。 路地裏の半地下に暮らす夫婦と息子、娘、四人の貧困家族。ある日、息子は友人から家庭教師の代役を紹介をされる。それをキッカケに富豪の家に娘は美術教師、父は運転手そし…
1941年ロシアの秋、破竹の進撃を続けたヒットラー軍はクレムリンまであと十数キロのところまで迫っていた。しかし例年より早い冬の到来が招いた泥濘と降雪が進撃の足を止め、世界で最も近代的な機械化部隊はその攻撃の成功にもかかわらず農業用荷車しか持た…
年金制度の仕組みはすでに破産が明白である。 しかし厚生労働省は27日、公的年金制度の財政検証結果を公表した。経済成長率が最も高いシナリオでも将来の給付水準(所得代替率)は今より16%下がり、成長率の横ばいが続くケースでは3割弱も低下する。60歳まで…
まず「日本をこういう国にしたい」というテーマは国家のあるべき姿すなわち理想像を語ることと私は理解します。 その前提として、そもそも国家は自主独立した主権を持つ国家でなくてはなりません。 ところが日本の現状は首都の制空権さえままならぬ国家主権…
日産が倒産の危機を救ってくれたルノーに恩義を感じるのは当然だ。ところがいまやルノーの屋台骨を日産が支える状況。収益力のみならず電気自動車はじめ技術力でも日産はルノーを凌駕している。そんな日産にとりもはやルノーは目の上のたんこぶであろう。 し…
「歴史の終わり」のフランシス・フクヤマの著書。新世紀の幕開けを告げたオレンジ革命もアラブの春もその思惑とは異なり政治の迷走がいまだ止まない。ベルリンの壁の崩壊にともない期待された歴史の終わりは訪れず、勝利したはずの民主主義は今やますます混…
原題「AVERAGE IS OVER」 資本主義の行き着く先は超実力社会、少数の大いなる勝者とその他大勢の敗者となり中間層の減少は必然だという。 その根拠はコンピューターに象徴される機械の知能の驚異的で迅速な発展である。いまやアメリカの知的エリートが目指す…
会計が文化の中に組み込まれた社会は繁栄してきた。この主張を裏付けるヨーロッパ政治社会史の手引書ともいうべき本です。その解析手法は秀逸で気楽な読み物として登場する人物、逸話への興味は尽きません。 無理を承知で勝手な時系列で要約をしてみます。 …
この数年にわたり気になる問題があります。それは、おおくの大手企業が増収増益を継続的に達成しているにもかかわらず従業員の賃金が上がらないという。これではデフレ脱却ができないというので政府が賃上げ目標を設定して税控除のニンジンまでぶら下げて企…
「自由と平等」は民主主義と資本主義の根幹をなす主要な共通理念だと思われます。 しかし自由と平等とはそもそも併存しうる理念なのでしょうか。 中国など一部の国を除き世界の国々では資本主義と民主主義を共存させ国家運営の駆動力として社会の近代化を図…
共謀罪法案が今日6月15日に成立しました。 安保法案、特定秘密情報保護法、個人番号法と一連の情報統制法案の締めくくりとして の共謀罪法です。これにより国家統制体制への法的整備が終了となるのでしょう。 戦後の焼け跡から営々と築き上げてきた日本の…
日本国民の社会的統合性は精神的にも経済的にも四半世紀前に解体が始まっていたと思われます。敗戦に打ちひしがれた国民の意気を投合させたのは1964年東京オリンピック、1970年大阪万博でした。精神的には国民の祭典としてまた経済的には国家再生事業の象徴…