bekiranofuchi’s blog

社会を独自の視点で描いてみたいという男のつぶやき。

EU

ウクライナ・ファティーグ

ロシアのウクライナ侵攻から1年になる先月、米国バイデン米大統領はキーウを電撃訪問し、ウクライナのゼレンスキー大統領に戦闘車両数千両の提供などウクライナ支援を約束した。その1週間後、こんどはイエレン米財務長官がキーウ(キエフ)を訪問した。ウク…

ロシア侮れず

今朝のTV報道番組にエマニュエル・トッドが出演していた。司会者がロシアやアメリカはじめ世界情勢についてトッドのコメントを求め、それに対して番組の常連らしい橋下徹と木村太郎が質疑応答する形で進められた。 トッドが国民信頼度や教育成果など歴史人類…

ウクライナ侵攻で得をするのは誰か?

(先月の記事「アメリカはなぜウクライナを軍事支援しないか」の続き) 今年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻は短期間のうちにロシア勝利に終わるだろうと私は思っていた。しかし予想に反してウクライナは強力な軍備を布いて反撃し侵攻後2か月を経過し…

BREXITと地政学

(まえおき) 12月20日付ロイターは「英下院は20日、欧州連合(EU)離脱に向けた関連法案の概要部分を巡る採決を実施し、賛成多数で可決した。主要なハードルを突破し、ジョンソン首相が目指す来年1月末のEU離脱達成は現実味を帯びてきた。」と報じて…

メイはハムレットか。

「愛する国に尽くす機会を得たことを感謝する」英国のメイ首相は辞任表明をした。国家と民主主義そしてグローバリズムのトリレンマ。その狭間で彼女はハムレットたることを選んだ のか。 ブレグジットで指摘されるのはもっぱらEUからの離脱による経済問題で…

擬似西洋国家の没落

1989年秋あの歓喜と自信に満ちたベルリンの夜明けはどこに行ってしまったのか。世界をリードしてきた西洋はなぜ没落しつつあるのか。公的債務は若者にツケを回し古い世代が安逸に暮す手段と化し、本来なら活気ある社会では革命を起こす力を持つエリート層は…

書評 「Q」ルーサー・ブリセット

1517年、ルターはローマ教会に抗議してヴィッテンブルクの教会に95か条の論題を張り出した。贖宥状批判に端を発した宗教改革運動はドイツ騎士戦争から農民戦争へと紛争は神聖ローマ帝国全土に拡大しシュマルカルデン戦争を経て1555年アウグスブル…

『東ベルリンから来た女』ー国家への別離を静謐に描く名画。

とにかく題名がいい。(原題はBarbara)東ベルリンというだけで哲学的でミステリアスな雰囲気が漂う。1980年東ドイツ、東ベルリンから田舎の病院に左遷された小児科女医が主人公。落ち葉舞う侘しい街路の一角、病院前でバスから降り立つ主人公、古びた病…

三ヶ月の物語。

心温まる後日潭があります。クルド系シリア人の男児で3歳のアイラン・クルデイの遺体がトルコの人気リゾート地の海岸に打ち上げられ家族4人で一人残された父親アブドッラー。アブドッラーの一家は空爆のダマスカスを逃れトルコに逃亡。そこでカナダへ渡るビ…

ルネッサンス2.0へ。

英国の国民投票でEU離脱が決定してから一年が経過しました。しばらくは政治と経済の動揺がしばらく続くでしょう。しかしこの問題の本質は政治経済問題ではなく文化問題にあると考えます。これをからはフランスはじめ欧州各国では自国文化と歴史の再評価の動…

英国のEU離脱

EUを主導するのは名実ともにドイツであることは言を俟たないと思います。 昨今のドイツ隆盛の主因となったのは、ソ連崩壊というロシアの「陰の協力」と宿敵フランスの「陽の協力」という歴史のアイロニーだとの名言があります。 この言葉はまさにEUの本質を…

明日は要らない今夜が欲しい

離脱派は騙されたと言いますが、この国ではアベノミクスとやらに騙され続け今や虎の子の年金積立まで詐欺まがいの賭場に放られています。ところが庶民は未だに為政者への高い支持を変えようとは致しません。普通の人が理性的に考えれば首をひねるでしょう。…

EU離脱問題と英国国教会

ちょうど今から500年前トーマス・モアの「ユートピア」初版が刊行されました。その翌年ドイツではルターの「95ヶ条文」から宗教改革の狼煙が上がりました。時を同じくしてイタリアではルネッサンスの華が開花しています。しばらくして宗教改革とルネッサンス…