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分断と沈黙

米国 トランプ

米国はトランプ大統領の出現により国内の分断化が、英国はEU離脱によりやはり国内の分断化が危惧されるそうです。

しかしトランプやEU離脱が分断化を引き起こしたのでしょうか。そうではなくこのような事象が発生する以前から経済格差の拡大や移民問題など世論を二分する火種が燻っており真摯な意見が交換されそれぞれの主張が提示されていたのではないでしょうか。その様な議論が白熱化していた所にたまたまこの二つの出来事が発生して日和見主義でないマスコミとジャーナリズムの触媒を経てより議論が沸騰して問題点が明確となり国論の分断化を助長促進したのではないでしょうか。

世論が過熱し国論を分断するまでになるのは国民が国に愛着を持って真剣に国の将来を憂いているからではないでしょうか。その意味では分断化をけっして頭ごなしに否定すべきものではないと思います。

それよりも気になることは我が国の不思議なほどの静けさです。

各種世論調査によれば安倍政権の支持率は60%を超え為政者の意のままで分断化なぞどこ吹く風の感がします。

ところが我が国がかかえるのは逼迫した国家財政、原発処理や社会福祉などの国内問題、中ソ外交やTPPなどの対外課題そして米軍基地をはじめとする対米国戦略など問題は山積みです。本来なら世論が自ずと湧きあがり国論を二分するまでに沸騰するのが自由と民主主義を謳う法治国家の姿ではないでしょうか。

無関心でもなく意見がないわけでもない、しかし真摯な議論などなんとなく面倒くさい、言ってもムダなどいつの間にか国事をあたかも他所の国の他人ごとにして貶めていくような自虐的で冷めた集団心理の下落を感じます。

自由な意見の表出と議論により招来された分断化よりも、国民が笑いもせず怒りもせず沈黙している状態はなぜか不気味でなりません。