bekiranofuchi’s blog

社会を独自の視点で描いてみたいという男のつぶやき。

三ヶ月の物語。

心温まる後日潭があります。
クルド系シリア人の男児で3歳のアイラン・クルデイの遺体がトルコの人気リゾート地の海岸に打ち上げられ家族4人で一人残された父親アブドッラー。
アブドッラーの一家空爆のダマスカスを逃れトルコに逃亡。そこでカナダへ渡るビザ発給を待っていた。アブドッラーの姉はカナダで美容師として25年暮らしていたのだ。しかしカナダ政府は、アブドッラー一家はトルコに逃れておりこの国は安全だと判断しビザ発給申請を却下した。そこで姉は5,800ドルをアブドッラーに送金した。このお金でアブドッラー一家ギリシアにわたりヨーロッパに亡命することにした。しかしトルコからギリシアへの密航船は大波にさらわれ船長は海に飛び込み逃げてしまい船は沈没。その後カナダでは、一家がカナダを目指していたことが報じられ連邦議会選挙で難民と亡命政策が最優先課題となり自由党のジャステイン・トルドー党首がカナダ首相に選出された。トルドーは即座に2万5千人のシリア難民受け入れを決定。カナダに地を踏む最初の難民を一個人としてトロントのピアソン空港に出迎えた。そしてカナダ移民局はアイランの家族と親戚7人の移民申請拒否を破棄した。しかしアブドッラーはこの申し出を受けた時には違う道を選んでいた。クルド人自治区の大統領の招きに応じてクルデイスタン地域に移り住み地元で難民を支援する仕事に就いていた。彼は語った。「自分の家族を失ったことで、多くのほかの家族に扉を開くことができました。カナダの人たちのことは怒っていません」
アイランが亡くなってから、わずか3か月間の出来事だった。