bekiranofuchi’s blog

社会を独自の視点で描いてみたいという男のつぶやき。

「希望の党」とはだれの希望なのか。

東京都知事小池百合子が国政に進出宣言をしました。

彼女にはもって生まれた才能があると思います。それは機を見るに敏で行動力があることです。その才能は政界入り後まさに風見鶏のように空気を読んで所属政党を渡り歩きそのつど機会を逃すことなく防衛大臣などの要職を射止め続けたことに発揮されています。

そこで彼女はつぎに狙うは日本最初の女性総理と考えたのでしょうか、それとも政界入りの時点からの望みだったのでしょうか。いずれにせよその野望を安倍首相には感知されていつのまにか冷や飯を食わされるようになったのではないでしょうか。

そんな不遇なときに舛添前東京都知事のスキャンダルが出現そこで混乱した東京都政を千載一遇のチャンスとみたのではないでしょうか。まず都知事にそれから総理大臣への道を切り開こうとひらめいたのでしょう。都知事選では所属する自民党に背を向けたポーズをとり築地移転問題や東京オリンピックなど既成の政策をやり玉に挙げ前任者の失政をあげつらうことで庶民感情を掴まえて大勝利をしました。まず野望への第一歩を踏み出したわけです。

ここで特筆すべきは庶民の情緒に訴えるキャッチフレーズのうまさです。都民ファーストといわれるとまず悪い気がする都民はいないでしょう。自己の利得やその下に隠された野望には一切触れずお客様(都民)は神様だと祭り上げたのです。ところが都知事になるや公約の「透明な政治」はいっこうに透明にはなっていません。都民ファーストの代表を独断で決めたり築地再開発をAIの決定であるなど独断先行の政治姿勢が目につきだしています。

都民もようやく彼女の胡散臭さに気づきだしたところにまたもや天佑が巡ってきました。安倍首相が突如として衆議院解散を宣言したのです。そこで都知事選を戦った盟友や民進党を離脱した人たちが推進していた新党結成の計画を看過して様子を見ていたにもかかわらずその動きをリセットするとして突然「希望の党」として自らが党首となると宣言してしまったのです。しかも東京都庁でパンダのネーミング発表会を行った後に新党の設立宣言をしたのです。安倍首相の衆議院解散の記者会見前数時間の出来事でした。さらに小泉元首相と面談して反原発を公約に入れたのです。みごとな手口と演出と言わざるをえません。

この度の選挙では解散の大義名分はありません。いうなれば政策論議のない漠然とした現体制への信任選挙でしょう。そうなると何の政策もない新党でもかなり戦えるはずです。右翼政党「日本のこころ」を取り込み反原発中道左派をも巻き込んでいくと「希望の党」は反安倍層と無派閥層の指示を浅く広く集票できると思います。

そこで問題は選挙後に彼女はどう動くかです。憲法改正に二の足を踏む公明党をしり目に自民党に接近し反原発は放棄して改憲案を合意そして「希望の党」は自民党に合流、彼女は着実に総理の座への道を歩むのでしょう。

希望の党の希望とは小池百合子の希望であり野望なのでしょう。