bekiranofuchi’s blog

社会を独自の視点で描いてみたいという男のつぶやき。

12月8日に考える。

 12月8日に考えること。

それは、
なぜ戦争は始まったのか?
分岐点はいつだったのか?
なぜ戦争に敗れたのか?
である。

敗戦直後の1945年11月、わが国は戦争への道を自らの手で検証しようと国家的プロジェクトを立ち上げた。
それが戦争調査会だった。
幣原喜重郎内閣において幣原自らが総裁に就き、長官には庶民金庫理事長の青木得三、各部会の部長には斎藤隆夫、飯村穣、山室宗文、馬場恒吾八木秀次を任命し、委員・職員は100名ほどという、文字通りの国家プロジェクトだった。

多数の戦犯逮捕、公文書焼却など困難をきわめるなかおこなわれた40回超の会議、インタビュー、そして資料収集。
ところが調査会メンバーに旧帝国軍人がいることをソ連が問題化した。調査結果を利用して次は勝利の戦争へと日本を誘導することを危惧したのだ。戦争調査会として目的を達するために軍人を参加させてこそ趣旨に沿うものであることは自明の理であった。そこで占領下における連合国のメンバー米ソ中英で議論が交わされた。最後は日本の精神的独立よりも国際的協調策を選択した米国がソ連に同調した。マッカーサーは戦争調査会の廃止を命じた。
1946年3月の第一回総会からわずか半年後に戦争調査会は調査の経緯も結論も集約することなく静かに幕を閉じたのである。
その時に集められた関係者への事情聴取と資料は、公文書館などの書庫で眠り続けていた。しかし昨年、
『戦争調査会事務局書類』として公開された。
12月8日にやるべきことはこの文書を読み解き引き継いで調査をまとめて結論を導き出すことではないか。