幼いころ明治生まれの祖父の膝の上で映画「明治天皇と日露大戦争」をみてなぜか目頭が熱くなった記憶があります。
数十年ぶりにその感動が明治の日本人像という記憶で蘇りました。...
日露戦争を陰で支えた黒子ともいうべき高橋是清、獅子奮迅の物語です。
決してエリートではない高橋がロンドンに乗り込み国際金融の世界ではまだヒヨコに過ぎぬ日本の公債発行を艱難辛苦のうえ初めて成功させます。
ところが日露戦争で日本が勝利するたびに日本公債は売り浴びせられますがロシア公債は変動しません。敗戦でロシアが内陸に撤退するリスクより日本軍の戦線が拡大し補給線が伸長するリスクのほうが大きいと世界は判断したためでした。
予想外の戦線拡大で日本の戦費はかさみ、そのつど高橋は公債の発行にロンドンのみならずニューヨーク、パリへと飛んで資金調達に奔走します。
ようやくバルチック艦隊殲滅により日本の勝利で公債価格もプレミアがつくほどの人気、しかし戦勝の賠償金は取れず戦時発行の公債償還と撤兵費用を捻出すべくまたもや高橋は公債発行の世界旅に。
そして高橋はかってない好条件での公債発行に大成功し日本の金蔵もはじめて安泰します。
高橋も偉いが彼に縦横に任せた大日本帝国指導部も偉い。
明治の日本人の国際的明るさと至高の意気に乾杯!