bekiranofuchi’s blog

社会を独自の視点で描いてみたいという男のつぶやき。

見失われる森友騒動の本質

国有地取引に関する決裁文書の書き換え報道が全国を駆け巡っているようです。
ことは、昨年の森友騒動に関して財務省が国会議員に開示した決裁文書です。
これとは別の決裁文書が複数存在することを財務省が認めたというはなしです。
たしかにこれは国権の最高機関である国会をないがしろにした由々しき事件ではあります。
 
しかし森友騒動の本質は、決裁文書そのものではなくその背景にある
「なぜ8億円もの値引きをして国有地が森友学園に譲渡されたのか」
ということであったはずです。
多くの国民の関心もこの点にあったと思われます。
ところが野党もマスコミも書き換えがあったということで、鬼の首をとったかのように
はしゃぎ回っています。
書き換えの問題に拘泥する限り、書き換えの実務担当だったと思しき職員は自殺、
当時の局長は辞任と官僚システム恒例のトカゲの尻尾切りで本件は一件落着でしょう。
野党が麻生財務大臣を辞任に追い込み安倍政権の打倒に至ったとしても、
政局にこそなれ森友問題の本質はいっこうに解明されません。
 
書き換えなどせず今もどこかで国有財産の値引きがおこなわれているかもしれません。
書き換えなど問題すり替えに一喜一憂しているあいだに問題の本質は矮小化され、
民主主義そのものが足下から崩れ落ちていく不安にかられます。