bekiranofuchi’s blog

社会を独自の視点で描いてみたいという男のつぶやき。

自衛隊の違憲論議に思う


私は憲法論議の前に国家ビジョンがあるべきとの意見ですので多くの皆様とは基本的スタンスが違います。
(内外の情勢変化と周囲環境に合わなくなった家を修理改善するのではなく家そのものを立て直す)

現行憲法日米安保条約日米地位協定の実態的な下位法であり、対米従属を保身の手段ではなくいまや自己目的化してしまった国が日本だと考えています。


ここにおいて議論すべきことは改憲云々の枝葉ではなく根幹としての国家ビジョンの設定であるというのが私の立場です。

現行憲法が正当な自主独立国家における正統性を有する憲法であれば、自衛隊違憲状態にあるという指摘は正論でしょう。
この議論は今に始まったことではなく自衛隊発足以来の未解決課題だといえます。
その理由は米国を触媒とした国家保全という不可視な不安状況(永続的敗戦状況)を可視化した自衛隊という代替で満足するという昭和の同時代性を持つ官民の共謀的黙認があるからではないでしょうか。

また現行の憲法は米軍占領下いうならば非独立状態において公布し施行されたものであり、1959年砂川判決で最高裁は「直接国家統治の基本に関する高度に政治性のある国家行為」としての統治行為は、司法審査の対象から除外される(統治行為論)として憲法の司法判断を放棄しています。

もし違憲訴訟を起こしても対米追従国家のもと最高裁は何の司法判断もしないことでしょう。