経済成長率とは何でしょうか。それは換言すると資本の利益率です。
これが2%を下回ると資本が得るものはゼロといわれています。
アベノミクスの経済成長率の目標がなぜ2%なのか、
その根拠につき当初から政府の説明はなくマスコミ、経済学者などからも明確な説明はなされていないように思います。
それは2%が達成できないと日本資本主義は終わりだからです、というのは私の邪推ですが。
いっぽうで資本の利益率というものは利子率に帰一するものと考えられます。
(為替と金利の相関関係論など机上の経済理論と思いますが、いまだ世界経済は机上の論理を軸にまわっているようです)
銀行に預金をしても利子はゼロに近いのが今の日本の状況です。
すなわち資本の利益率は、ゼロに限りなく近いということになります。
さらに日本の10年国債がどうかというと、なんとマイナス0.023%です。
ということはお金(資本)を10年預けても利子が付くどころか逆に利子を払わないといけないのです。
マイナス金利、すなわち資本から得られるものはマイナスということです。
つまり、保有することはリスクとなるわけです。
そのような理念を象徴するシェアエコノミーへの急激な傾斜は象徴的な事象でしょう。
これは資本の論理に反するどころか私たちの過去の常識からはあり得ない話です。
しかしながら、これがまぎれもない日本の実態なのです。
いや日本のみならず世界の主要資本主義国の実情でもあります。
ちなみに主要国の10年国債の利率は次の通りです。(5月1日時点)
アメリカ 0.616% ドイツ -0.588% イギリス 0.249% 日本 -0.023%
いずれも資本の限界利益率2%をはるかに下回っています。
このような状態が日本では少なくとも7年、世界主要国でもここ数年続いていますが、一向に転換の兆しは見えてきません。
もはや資本主義は終焉を迎えつつあるといえるのではないでしょうか?
ご参考までに10年国債のピーク利率と時期は以下の通りです。
13.9% 1981年14.2% 19744年 1974年11.7% 1974年
(ドイツについては調査できていません)