bekiranofuchi’s blog

社会を独自の視点で描いてみたいという男のつぶやき。

書評『ハロウイーンの文化誌』

 

1938年10月30日、100万人が避難したといわれる米国CBSの火星人襲撃放送。じつはハロウィーン向けラジオ放送だった。

黒猫、魔女、カボチャというハロウィーンの主役三点はポーの「ユーラルミー」ホーソンの「ヤンググッドマン・ブラウン」アーヴィングの「スリーピー・ホローの伝説」それぞれの作品で象徴的に取り上げられたアイコンであった。そこでこれらの作品はハロウィーン小説の原点と言われる・・・。

近年我が国では祝祭的に取り上げられバレンタインをしのぐ経済効果と言われるハロウィーン
その語源、起源から説きおこし現在に至るまで世界各国の文化に根付いたハロウィーンの歴史をたどる。その背景は宗教から人類史まで広範にわたり著者の博識には脱帽する。

また多くの図説が掲載されて読んで見て楽しめるハロウィーンのデズニーランド的楽しさいっぱいの書誌である。

なによりも世界的なイベントに押し上げたのは子供、怖さ、スイートという三点セットをパッケージ化したアメリカの文化だという指摘には納得。