たぶん日本の言い分は正論なのであろう。
しかし正論を貫き通さんがためいささか礼節を欠いてはいないだろうか。
かって自由と民主主義というあたかも正義を装う看板を表に掲げながら裏では植民地化政策を巧妙に進めたのが欧米列強の外交であった。そんなダブルスタンダード外交に赤子の如くあしらわれたのが大日本帝国の潔白な正論外交だった。ところが国際外交のステージでは大日本帝国の外強硬な正論はタテマエとホンネを使い分けできない脆弱性となり、やがてそれは日米開戦一つの要因にもなった。正論の拳を振り上げたのはいいが落としどころを間違えたのである。
そんな状況は今も変わらないようだ。グローバリズムというタテマエと自国主義というホンネそんなダブルスタンダード外交を政府は使い分けたつもりだろう。しかし、いま韓国では生きるか死ぬかの瀬戸際で国家運営をしている。ここで経済が崩壊し始めたら国が引っくり返るという状況にある。そんな彼らをなだめる方法はいくらでもあるのに、その逆に火に油を注いでいる硬直的な外交のやり方は、実に幼いと思う。窮鼠猫を噛む状態に陥っている韓国と喧嘩をしていたところで、日本国民には何の得にもならないだろう。
感情に溺れて憂さ晴らしに走るのは、国民が地理以外に団結する拠り所を持たない国家の宿命か、
深謀なく短慮ゆえに敵を作り自滅して行く。こんな歴史はもう終わらせなくてはいけない。