bekiranofuchi’s blog

社会を独自の視点で描いてみたいという男のつぶやき。

資本主義の終焉についてー試論

資本主義の原点は負債に始まると言われます。そのため資本の論理とは、資本の増殖を絶え間なく継続していくことになります。
このためには資本の増殖率=利子率はプラスであることが必要です。
そしてアベノミクスが2%に固執したように利子率=利益率が2%を下回ると資本から得るものはなくなると言われます。

サイバー(デジタル)経済以前の実物(アナログ)経済の資本主義では、空間(先進国と後進国)と時間(情報、移動)の生み出すギャップにより利益率は2%をはるかに超えていました。
実物経済は1970年代半ばには頂点を迎え、主要先進国の10年物国債の利子率は11-14%でした。

その後、世界的な規模での経済発歩調を合わせるように急速なテクノロジーの進歩と運送手段の進化により時空間のギャップは埋まり始めました。やがて実物経済はフラット化する時空間のメリットを享受できなくなり、代わって金融経済が時空間の短縮メリットの恩恵を受け活躍してきました。
たとえば、米国の全産業における金融業の利益比率は1980年前半までの50年間は10%でしたがそれ以降の20年間に30%を超えていきました。

さらに2000年以降は中国の急激な経済発展と社会生活のテクノロジー化にともない、時空間に加え利子率のメリットが薄れてデジタル経済が主流になりました。
デジタル経済は、利子率=利益という資本主義の基本論理を破壊して情報独占(ビット量=利益)という経済の定理を打ち出したと思えます。
言うなれば、利子率からビット量への価値転換だと思うのです。


以上は負債が資本主義の原点とした、利子=利益という資本主義論理の一つの要素についての考察であり他の要素を検討していません。
いずれ利子以外の要素を掌握して歴史的な経緯と現状の問題を把握、そのうえで総合的に論点整理するつもりです