米国のトランプ大統領はベネズエラを攻撃してマドゥロ大統領を米国に拉致した。
自国の麻薬取締法に抵触するから米国が拘束したという理由らしい。
いっぽう、埋蔵量世界一のベネズエラの石油欲しさが理由だとマスコミは報じている。
この米国の行動に対し、多くの国では「国際法に抵触する恐れ」ありとして批判的だが、高市首相は批判もアメリカの名前も出さずに当たり障りのない一般論で終始している。「法の支配」という常套句と宗主国の行動その板挟みになった高市首相から、国民が期待する威勢の良い啖呵が出てこないのは当然のことだろう。
今回の事態で想起することは、GATTO申請から15年経過した中国を2011年WTOに加盟させた米国の行動である。その思惑はグローバリズムのリーダーとして中国を傘下に入れた新自由主義経済圏の拡大、そしてロシアを除く世界の盟主たる基盤を確立する戦略にあったと思われる。しかし15年後、米国が主導した世界の経済グローバル化の恩恵を最も受けたのは中国ではないだろうか。皮肉なことにグローバリズムの旗手アメリカは生産基地のオフショア化により中国を世界の工場にした結果いまや絶対的なヘゲモニーを失い保護国日本から85兆円の投資を頼むほどに影響力は低下している。
そこで今回のベネズエラ攻撃だが、自国の法律に抵触しているから他国の指導者を拉致するというのであれば、それは中国そしてロシアに対台湾、ウクライナ攻撃を正当化するお墨付きを出すにも等しいものではないだろうか。
トランプ関税に次ぐ自暴自棄ともみえるアメリカ・ファーストの戦略は果たして成功するのだろうか、それとも自滅の憂き目を見るのだろうか。