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EU離脱問題と英国国教会

 

ちょうど今から500年前トーマス・モアの「ユートピア」初版が刊行されました。その翌年ドイツではルターの「95ヶ条文」から宗教改革の狼煙が上がりました。時を同じくしてイタリアではルネッサンスの華が開花しています。しばらくして宗教改革ルネッサンスは寄り添うように英国に浸透し始めました。このような時代の趨勢を背景に時の国王ヘンリー八世は何度請願しても離婚を許可せぬローマ教皇に愛想を尽かし英国国教会を創設し離婚・再婚を強行します。そして英国内教会からの収入をローマ教皇から国王の懐へと変更したのでした。つまり英国は全欧州の精神的盟主であったローマ教皇に反旗を翻し宗教的にも経済的にも脱欧州を果たしたのです。ところがヘンリー八世の寵愛を受けてナイトの爵位を授けられ大法官の職に就いたトーマス・モアはヘンリー八世の離婚宣言を拒否しローマ・カトリック教会に殉じ絞首台の露と消えていったのです。

その英国、こんどは国王専断ではなく国民の主導でEU離脱の可否を選択するというのです。

EU帰属、離脱派共にその論点はカネと強慾に起因するものらしくトーマス・モアの時代からなんら進歩はないようです。

国民の選択がどのような結果になろうとも「ユートピア」は一向に実現しそうにもありませんね。