bekiranofuchi’s blog

社会を独自の視点で描いてみたいという男のつぶやき。

2019-01-01から1年間の記事一覧

予測が当たったBREXIT

2016年6月初旬に私は以下のよう国民投票を予想しました。 「英国はEUを離脱するであろう」 その通りになりました。 英国のEU離脱についてどうも巷間では政治、経済の問題として論議されているようです。 しかし私はこの問題は文化の問題として考えるべきだと…

BREXITと地政学

(まえおき) 12月20日付ロイターは「英下院は20日、欧州連合(EU)離脱に向けた関連法案の概要部分を巡る採決を実施し、賛成多数で可決した。主要なハードルを突破し、ジョンソン首相が目指す来年1月末のEU離脱達成は現実味を帯びてきた。」と報じて…

反社会的勢力

今朝の朝日新聞によると、 「政府は10日、首相主催の『桜を見る会』に出席していたとされ問題になった 『反社会的勢力』について、『あらかじめ限定的かつ統一的に定義することは困難』 とする答弁書を閣議決定した。」と報じています。 この記事でまず気に…

それでも経済成長は必要か?

1941年ロシアの秋、破竹の進撃を続けたヒットラー軍はクレムリンまであと十数キロのところまで迫っていた。しかし例年より早い冬の到来が招いた泥濘と降雪が進撃の足を止め、世界で最も近代的な機械化部隊はその攻撃の成功にもかかわらず農業用荷車しか持た…

アゾレス紀行

「アソーレスって知ってる」と家内から聞かれたのはこの春だった。 アソーレス?一瞬、何のことかわからず家内に聞くと、カナダに在住する次女の家族が遅れた夏季休暇を過ごす場所らしい。そのメールを見てみるとアソーレスとはポルトガル語でアゾレス諸島の…

東京オリンピック札幌会場は国民の責任

IOCは16日、東京五輪の暑さ対策の一環として、マラソンと競歩を北海道札幌市で実施することを計画していると発表した。そして東京オリンピック組織委員会の森会長は「われわれが駄目だと言えるのか」と見栄を切った。その通りである。 民主主義日本の国…

ようやく動いた北陸新幹線

台風の影響を受け例年より参加者の少ない同窓会が終了し実家に戻ったのはまだ暗くなる前だった。そして13日午後から北陸新幹線は動くだろうとのニュースを微塵も疑わず明日の帰り仕度をして床についた。ところが13日朝のTVに映ったのは水没した長野の新幹線…

関西電力の金品受領問題

関電側では恫喝されたと言う。しかし組織ぐるみで長期にわたり脅されていたという、そのことは組織のコンプライアンス問題ばかりでなく事業そのものが世間に対する疚しさなり表面化できない後ろめたい問題を抱えていたのではないか。しかも動いた金の出どこ…

安倍改造内閣は右翼強硬派か?

安倍改造内閣の新大臣の顔ぶれを見て右翼化という論調があるが本当だろうか。 安倍首相は改造内閣について、安定と挑戦の内閣だという。 そもそも右翼とは過去の視点から現時点を解釈するものであり安定はともかく挑戦などとは水と油である。 また寛容性と多…

グリーンランド購入は理にかなっている

トランプ大統領がデンマーク政府の実質管理しているグリーンランド島を購入したいと発言した。島全体が氷に覆われ人口5万6千人のグリーンランドを買いたいというので日本では失笑を買っている。 しかし地政学的にみるとトランプ大統領の意図は明確に浮き上が…

GSOMIA破棄を驚くのは意外だ。

私が意外に思ったのは貿易管理で韓国は信用できないと判断した日本がGSOMIAを破棄した韓国に驚くということでした。日本が驚いたというのは韓国がGSOMIAを継続することは当然のことだと考えていたからだと思います。もしそうであれば、貿易管理という国家の…

年金の財政検証に何の意味があるのか。

年金制度の仕組みはすでに破産が明白である。 しかし厚生労働省は27日、公的年金制度の財政検証結果を公表した。経済成長率が最も高いシナリオでも将来の給付水準(所得代替率)は今より16%下がり、成長率の横ばいが続くケースでは3割弱も低下する。60歳まで…

強制される忖度

飛行機や新幹線に乗ると通路側の席につくのが私の常である。理由は出入りが楽なこと、それに狭い通路とはいえ密閉空間の息苦しさを和らげてくれるからである。 新幹線を利用した時の出来事である。 読書に熱中していた私の横に初老の男が立ち尽くしていた。…

国民国家とグローバリズム

現代政治の主要な概念は国民国家とグローバリズムそして民主主義であろうと思います。 この三つの概念のうち二つは共存が可能であるが三つともに共存することは難しい、 と政治のトリレンマを説いたのはダニ・ロドリックの「グローバリゼーション・パラドッ…

財政健全化は必要なのか。

返済不能な債務や毎月の収支が継続的に赤字だと個人生活の継続はできない。 しかし国家の場合は、民間部門と政府部門そして海外部門それぞれの収支があるのだからこの三部門の総収入と総支出が同じであれば国家は存続できるはずである。 そうであれば、 民間…

悪化する日韓関係に思う

たぶん日本の言い分は正論なのであろう。 しかし正論を貫き通さんがためいささか礼節を欠いてはいないだろうか。 かって自由と民主主義というあたかも正義を装う看板を表に掲げながら裏では植民地化政策を巧妙に進めたのが欧米列強の外交であった。そんなダ…

品性ある国だった日本

第一次世界大戦に勝利した連合国の一員として大日本帝国は1919年パリ講和会議に出席して人種差別撤廃を提案しました。ちょうど100年前のことです。 しかしイギリス、オーストラリアが強力に反対しアメリカも中途半端な対応をしたので提案は拒絶されました。 …

自衛隊の違憲論議に思う

私は憲法論議の前に国家ビジョンがあるべきとの意見ですので多くの皆様とは基本的スタンスが違います。(内外の情勢変化と周囲環境に合わなくなった家を修理改善するのではなく家そのものを立て直す) 現行憲法は日米安保条約、日米地位協定の実態的な下位法…

戦後民主主義の命日に流れる唄がない。

白内障の手術が終わり不自由な片目を開けて病室の天井を見つめていると静寂な夕暮れの窓外に雨音が聞こえてきました。電気スタンドの明かりを消して眼を閉じると耳もとに西田佐知子の「アカシアの雨がやむとき」がかすかに聞こえてくる気がします。昭和35…

日本をどういう国にしたいですか?

まず「日本をこういう国にしたい」というテーマは国家のあるべき姿すなわち理想像を語ることと私は理解します。 その前提として、そもそも国家は自主独立した主権を持つ国家でなくてはなりません。 ところが日本の現状は首都の制空権さえままならぬ国家主権…

国会閉会で安倍総理の空虚な記者会見

今日は国会の最終日でした。 参院選を前にして安倍総理の口から「消費税増税を延期する」との一言が飛び出すのではないかと期待していましたが、淡き夢でした。 国会を終え参院選を前にした安倍総理の記者会見をラジオで聞いていました。 年金や憲法を参院選…

AIブームに一言。

AIなど戦術や機能論の前に為政者にはやることがあります。それは国家ビジョンの確立です。国家戦略なき戦術の積み重ねは所詮は滅亡に至る道に過ぎません。これは先の戦で見に染みて民族が知ったことです。

反日がどうしたというのか。

そもそも高度な諷刺や諧謔には分からないものには分からないという拒絶を含有している。国家ビジョンなき為政者に否定的な姿勢を取り率直な疑問を呈して何が問題なのか。かって江戸の町人たちは首を賭けて権勢を誇る将軍すら嘲笑の対象にした。それが粋とい…

メイはハムレットか。

「愛する国に尽くす機会を得たことを感謝する」英国のメイ首相は辞任表明をした。国家と民主主義そしてグローバリズムのトリレンマ。その狭間で彼女はハムレットたることを選んだ のか。 ブレグジットで指摘されるのはもっぱらEUからの離脱による経済問題で…

秋丸機関を知っていますか。

「秋丸機関」について 戦前日本の最高頭脳を集めたと言われるシンクタンク 名称 陸軍省戦争経済研究班 設立 昭和15年1月 目的 「陸軍省経理局長の監督の下に次期戦争を遂行目標として主として経済政策の見地より研究」し「その成果を陸軍大臣に報告し参謀総…

憲法と国家の独立性

(占領下に公布された憲法) 1945年9月2日から1952年4月28日まで日本は連合国軍(米軍統治部隊)の占領下におかれていました。そして日本国憲法は1946年11月に公布、1947年5月に施行されています。 憲法が公布されたのは連合国軍の…

合意なき離脱がなぜ問題か

英国のEU脱退は合意がないとして問題になっている。しかし、脱退するのになぜ合意が必要なのか。脱退というものは問答無用で、もうやめた、ということではないか。日本も国際連盟を脱退したが、脱退の合意だの一切なかった。事の是非はともかく日本の言い分…

法治国家と義務教育

カナダに住む娘が一時帰国をすることになりました。娘はこの機会に長女を日本の小学校に体験入学させようと計画しました。二人とも日本とカナダの二重国籍を持っています。そこで事前にカナダから日本の小学校に連絡を取り必要な書類など準備万端整えて二人…

二・二六に思う。

二・ニ六事件から83年目の2月26日がやってきました。 近ごろ思うのは、あの出来事は軍部独裁化への引き鉄や大東亜戦争への誘導要因ではなく、戦後日本の姿を方向づけた官僚性の原点だったのではないかということです。 二・二六事件の本質とは、軍部クーデタ…

堺屋太一さんの思い出

堺屋太一さんが先日亡くなられました。 先見性と構想力に秀で文才も優れたものがあり 本当に惜しい人を日本は失ったものだと思います。 そんな堺屋さんにまつわる思い出話です。 堺屋さんが経済企画庁長官を退任されしばらくたってからのことでした。 ある人…