bekiranofuchi’s blog

社会を独自の視点で描いてみたいという男のつぶやき。

2022-01-01から1年間の記事一覧

シグナルとノイズ

年末を迎え一年の重大ニュースが恒例のごとく発表される。今年はどのメディアでもロシアのウクライナ侵攻がダントツでランク一位である。この事態が発生する可能性は昨年末から予想され二月になるとウクライナ国境へのロシア軍隊の集結が頻繁に報道された。…

ワールドカップ2022と太平洋行進曲

FIFAワルドカップ2022に出場した日本チームの大活躍にはまさに眼を見張る思いである。試合前から劣勢が予想されたドイツそしてスペインと立て続けて逆転勝ちを収めたのである。 この奇跡的な出来事に国内のメディアは舞い上がりサムライ・ブルーの報道に明け…

醜の御盾

「なぜ支持率3割政権が勝手に決めるのか 防衛費倍増」これは昨日の日刊ゲンダイの記事見出しである。防衛と聞いて想起するのは防人歌「今日よりは顧みなくて大君の醜の御盾と出で立つわれは」〈万葉集 四三七三)である。 「大君」とは天皇のこと、故郷に家族…

ロシア侮れず

今朝のTV報道番組にエマニュエル・トッドが出演していた。司会者がロシアやアメリカはじめ世界情勢についてトッドのコメントを求め、それに対して番組の常連らしい橋下徹と木村太郎が質疑応答する形で進められた。 トッドが国民信頼度や教育成果など歴史人類…

資本主義考察

まず資本主義と市場経済とは異なるものであるという私の見解をご説明します。 市場経済とは、貨幣(M)の仲介によって財(C)を交換する方法: C―M―C‘ 資本主義とは貨幣を使ってより多くの貨幣を獲得する術策 : M―C-M‘ 市場経済は、明瞭で透明でわずかな利潤…

国家の恫喝

10月14日の報道によると「河野太郎デジタル相はマイナンバーカードと健康保険証の一体化に伴い紙やプラスチックカードの健康保険証を2024年秋に廃止する方針を発表した。既存保険証の新規発行を停止することで、マイナンバーカードへの置き換えを推し進める…

収奪国家、日本の惨事便乗型政治。

岸田政権は物価の高騰に対して国民の窮状に寄り添う姿勢を見せるが実は業界と結託したピンハネ政策ではないか。 ガソリン高騰への国民支援と銘打ちなが石油元売り会社への支援金で国民へは補助金の半分しか還元されていない。今度は電気料金の高騰対策として…

モノからコトへ。

米国駐在から帰国した30年ほど前のことです。なにげなくTVをつけると「モノより思い出」というナレーションが耳に飛び込んできました。TV画面に目をやると湖を前に車を止めた両親が車からランチボックスを降ろすと小さな子供と手をつなぎ楽しく野原に向かい…

リスキリング

第210臨時国会が10月3日召集され、岸田首相は所信表明演説で個人のリスキリング支援に5年で1兆円を投じると表明しました。 「リスキリング」という言葉に初めて接した浅学のわたし、これはリスク云々(デンデンでなくリスク回避などリスク対処)のことかなと…

安倍元首相の国葬は民主主義の密葬だ。

岸田首相は、9月8日の衆議院議院運営委員会において安倍元首相の「国葬儀」閣議決定の経緯について説明を行った。 説明によると「国葬儀」の実施は、内閣府設置法4条3項「内閣府は、前条第二項の任務を達成するため、 次に掲げる事務をつかさどる」の33号「…

敗戦と終戦

また「終戦記念日」がやってきました。 「敗戦責任」を不問にしたまま「敗戦」を「終戦」と言い換え戦争の総括を放置してきた国家(そして国民)の「欺瞞」、その結果として歴史継承なき「虚妄の国体の生成」そして問題の本質を回避することでリスクを蓄積さ…

国葬は政治手段にすぎないー姑息な岸田政権

人の窮状につけ込み利得を得ようとする行為を「弱みにつけこむ」とか「火事場泥棒」などと言いますが、最近では政府が国民を対象にし、惨事に便乗して利得を得るいわゆる「惨事便乗型」の政治手法が横行しているようです。その例が安倍元首相の銃撃死に便乗…

安倍元首相の国葬に異論あり。

今朝の産経新聞によると、『岸田文雄首相が14日、参院選の街頭演説中に銃撃され死亡した安倍晋三元首相の「国葬」を秋に実施する方針を表明した。昭和42年の吉田茂元首相の国葬以降行われておらず、戦後2例目。 政府内にも慎重論があったが、首相が押し…

民主主義連呼の虚しさー安倍元首相の銃撃死

安倍元首相が参議院選の応援演説中に銃撃されて昨日死亡しました。一夜明けるや主要新聞の社説をはじめマスコミ報道は、テロ行為は言論に対する暴力による凶行であり民主主義の破壊、民主主義への挑戦で断じて許されず民主主義の危機をしたり顔で繰り返して…

新しい資本主義

政府は昨日、岸田首相の目玉政策である「新しい資本主義」の実行計画案を公表しました。 その計画によると、官民連携のもとで経済成長を目指すとして、「人」、「科学技術・イノベーション」、「スタートアップ」、 「グリーン、デジタル」の4分野に重点的な…

真珠湾の罠

歴史に「もし」は禁物というが、もし大本営がハワイ諸島を手に入れ米国本土攻撃への前線基地とすることで「距離のハンデイの克服」に戦略目的(大戦略)を定める、すなわち真珠湾攻撃が海陸両用作戦であったならば、米太平洋艦隊の打撃は甚大で態勢立て直し…

憲法記念日に思うこと

憲法記念日に思うことは毎年のように同じことだ。 一つは、我が国は名目だけは独立国家というものの未だ占領下から脱し得ない状態つまり永久敗戦国であるということ。 もう一つは、その状況を変革しない限り、憲法を改正したところで独立国家になるわけでは…

沖縄復帰50年で思うこと

戦前からこの国の指導者は沖縄に冷酷だ。日米戦の敗色が濃厚になると指導者は、一億火の玉本土決戦、と国民を叱咤激励した。しかし本土決戦を実行したのは一億国民のうち沖縄県民のみだ。そして世界の戦史上類例を見ない軍人と同数に達する沖縄民間人の命(…

崩壊する民主主義

そもそも民主主義とは、市民が自由選挙で選出した代表を通じて市民としての権利を行使しかつ責任を負う統治形態というものだが、 いくら美辞麗句を並べようと所詮は数の論理による統治形態である。 統治者と被治者である市民との間を媒介するのが選挙で選ば…

民主国家と強権国家

国際情勢を論じる際に民主国家と強権国家という二項対比を前提とした議論が盛んです。しかし私はどうも気になって仕方ありません。二項対比は是非を論じるに容易な手段ではあります。しかし、ふたつの陣営を比較する前にまず「国家」とは何か、その本質を明…

惨事便乗

1.惨事便乗とは。 「人の弱みにつけこむ」という昔からの言葉がある。 これはひとと人との関係における私的な脅迫や略奪行為である。 近頃は、国民や世界社会を対象にして権力が「窮状に便乗して利得を得る」という公的搾取いわゆる惨事便乗型の政治や経済…

ウクライナ侵攻で得をするのは誰か?

(先月の記事「アメリカはなぜウクライナを軍事支援しないか」の続き) 今年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻は短期間のうちにロシア勝利に終わるだろうと私は思っていた。しかし予想に反してウクライナは強力な軍備を布いて反撃し侵攻後2か月を経過し…

アメリカの「ダブル・スタンダード」

アメリカの対外政策は「自国のダブル・スタンダード」(アメリカ・ファーストという国家理念に依拠した民主主義と孤立主義)を、国際機関のなかに植え付ける(embeded)ことに本質があるのではないかと思います。ウクライナ侵攻にともなうロシアのジェノサイ…

上田の近況

新幹線のホームから「OYO」という文字が目に飛び込んできた。上田駅お城口の横にあった長期滞在用の東急インがなくなり、インドのホテルチェーンOYOホテルになっている。OYOは既存ホテルの買取で急拡大し世界6位、東急から買い取って開業したものだろうか。 …

憲法と戦争

岸田首相は首相就任の直後から、憲法改正に言及し「今こそ改正を成し遂げなければならない。国民的な議論を盛り上げていく」と並みならぬ意欲を示しています。 私がいつも不思議に思うのは、憲法改正というと真っ先に話題に上がるのが、どうして個別条項でし…

待ちと期待の革命

二・二六の青年将校はおそらく事件当日に自らを革命の起爆剤へと純化させたのではないだろうか。貧苦の渦中にある国民に先駆けて自分たち先進的精鋭が決起すれば、広範な国民勢力は必ずや立ち上がるはずだと。 この思考は1960年全学連の安保闘争に継承された…

アメリカはなぜウクライナを軍事支援しないのか。

ロシアのウクライナ侵攻に関する米国の対応を見ていますと、米国はもはや民主主義の旗手でもなく社会正義の使者でもあり得ません。米国が行ってきたベトナム戦争に始まる他国の戦争や紛争への積極的な介入は、すべて失敗でした。このために多くの若者を失い…

国際連合とは戦勝国家の免罪符か。

2月24日、ロシアは突如としてウクライナへの軍事攻勢を開始しました。プーチン大統領は「我々の抗議に対してNATOは東への拡大を続けている」とNATOを非難し、ウクライナに対して現政権の退陣・非軍事化・中立国化(NATOへの非加盟)を要求しています。ウク…

ウクライナ支援策。

ウクライナの惨状を見るたびに何もできない我が身に焦燥感と罪悪感は日々募るばかりです。 同様のお思いをしている日本国民の方は相当な数に達するのではないだろうか。一人では微力でも国民の願いが一体になると大きなものになるのではないだろうか。そこで…

なぜロシアはウクライナに侵攻するのか

どう考えても一方的で不条理としか思えないロシアのウクライナ進攻。 その背景について、大ロシア主義(昔のソ連邦)の復活だとかプーチンの誇大妄想とか様々な議論がなされていますが、地政学的な見地からの意見は見られません。 そこで、独断と偏見による…