bekiranofuchi’s blog

社会を独自の視点で描いてみたいという男のつぶやき。

2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

京都の平熱――哲学者の都市案内 (講談社学術文庫)

京の魅力。それは時空間を集散したカオスが織りなすアナーキーな心地よさであろう。酒場では京都と書いてあっても京と呼びたい。なんといっても京と京都では酒のうまさが違う。そこで、こんな本を見つけた。 京都育ちの哲学者が一系統だけの市バスで名所旧跡…

『シグナル&ノイズ』 書評

著者のネイト・シルバーは統計専門家にして「マネー・ボール」で有名な野球データ分析会社の予測モデルPECOTAの開発者。2008年の米国大統領選挙の結果を予測し50州中49州を的中させたと解説にある。 ビッグデータの時代というが多くの予測が失敗をするように…

自動車のEV化に日本企業はついていけるか?

米国駐在から帰国した20年以上前のことです。なにげなくTVをつけると「モノより思い出」というナレーションが耳に飛び込んできました。TV画面に目をやると湖を前に車を止めた両親が車からランチボックスを降ろすと小さな子供と手をつなぎ楽しく野原に向かい…

『東ベルリンから来た女』ー国家への別離を静謐に描く名画。

とにかく題名がいい。(原題はBarbara)東ベルリンというだけで哲学的でミステリアスな雰囲気が漂う。1980年東ドイツ、東ベルリンから田舎の病院に左遷された小児科女医が主人公。落ち葉舞う侘しい街路の一角、病院前でバスから降り立つ主人公、古びた病…