bekiranofuchi’s blog

社会を独自の視点で描いてみたいという男のつぶやき。

文化

ポスト・トゥルースとフェイク・ニュース

ポスト・トゥルースの起源は、米作家Ralph Keyesの「The Post-Truth Era」(2004年刊行)といわれるが、環境問題誌「グリスト」の編集者、David Robertsが地球温暖化懐疑論者のキャンペーンに用いたのが起源との説もあるらしい。 定義は「事情をわきまえたう…

眞子さまのご結婚

秋篠宮家の長女・眞子さんと小室圭さんは、結婚されて日本を離れニューヨークでの生活を始めました。 眞子さまのご結婚については、小室さんに関する醜聞から賛否両論がありました。 この問題は、眞子さまが皇族であるために一般国民の結婚とは異なる視点で…

言い換えの文化

「言い換え」とは、ものごとをより明確にするために別の言葉で表現することである。ところが、本来の意味そのものを変えてしまう言い換えがある。それは、情報の受け取り手に誤解や混乱を引き起こすことを意図した表現である。その多くは権力側の自己正当化…

歌謡曲にみる汽車の意味

汽車には、人や物の運送を担う公共の交通機関としての役割のみではなく人の喜怒哀楽を誘引する不思議な力があると思う。汽車は同じ鉄路を毎日往復するのに、人は一期一会の思い出を汽車に託して記憶する。幼い日、田舎道が鉄道と交差する小高い丘の踏切を通…

崩壊する日本人の道徳律

かっては日本人の行動選択に際して大きな影響を与えるものとして道徳律(勤勉、倹約など)が重要な地位を占めていたのではないかと思います。その中でも極めて重要でありかつ日本人の美徳の一つでもあったのが「正直さ」であったと思います。 この道徳律の起…

反日という自己撞着

最近は街の本屋さんがめっきり少なくなりました。大型書店やアマゾンの利便性と品揃えが街の本屋さん減少の大きな要因かと思います。かって文化の香りを漂わせた街の風景が変化し長閑かな戦後の庶民の雰囲気が消滅していく寂しさを感じます。 ここ数年、お店…

街頭から垣間見る新自由主義

コロナ禍の都会を離れ疎開生活に入りはや一年。幾たびか引越しを重ねたが昔馴染みの理容室に今も足を運んでいる。その理容室からの帰り道ふと目にした街頭の景色を契機に思い巡らせたことがある。店を出て駅に向かう坂道には五十肩の治療に通った鍼灸治療院…

デジタル化とは何か

日本を含む多くの先進国では経済格差の拡大が続いています。この大きな背景は新自由主義と金融資本主義が健全なる経済発展を阻害してきたためと思われます。巷間いわれる産業の空洞化というのものは別の次元の問題です。日本の産業のモノ作りの成功例であっ…

甘えの構造

国民に対する政府の欺瞞を欺くため大日本帝国が掲げた大義名分とは「天皇」であった。 錦の御旗「天皇」のもとあらゆる不条理に耐え時には生命さえ捧げることが大義に殉ずる帝国国民とされた。国民は「天皇」へ没人化して、己の心情に逆らう欺瞞を取り繕うし…

自由とは何か。

1.「自由」の語源について まず、自由とはそもそも何なのでしょうか。 自由はLibertyとFreedomという二つの言葉に由来(和訳)しており、その語源は、以下のように解釈されています。 Liberty ラテン語起源でliber(世帯における自由な成員、つまり特権を…

映画パラサイトは日本の悲喜劇か。

今年のアカデミー賞四部門を受賞した映画「パラサイト 半地下の家族」を観ました。 路地裏の半地下に暮らす夫婦と息子、娘、四人の貧困家族。ある日、息子は友人から家庭教師の代役を紹介をされる。それをキッカケに富豪の家に娘は美術教師、父は運転手そし…

アゾレス紀行

「アソーレスって知ってる」と家内から聞かれたのはこの春だった。 アソーレス?一瞬、何のことかわからず家内に聞くと、カナダに在住する次女の家族が遅れた夏季休暇を過ごす場所らしい。そのメールを見てみるとアソーレスとはポルトガル語でアゾレス諸島の…

強制される忖度

飛行機や新幹線に乗ると通路側の席につくのが私の常である。理由は出入りが楽なこと、それに狭い通路とはいえ密閉空間の息苦しさを和らげてくれるからである。 新幹線を利用した時の出来事である。 読書に熱中していた私の横に初老の男が立ち尽くしていた。…

戦後民主主義の命日に流れる唄がない。

白内障の手術が終わり不自由な片目を開けて病室の天井を見つめていると静寂な夕暮れの窓外に雨音が聞こえてきました。電気スタンドの明かりを消して眼を閉じると耳もとに西田佐知子の「アカシアの雨がやむとき」がかすかに聞こえてくる気がします。昭和35…

甲子園大会はナショナルな祭事だ。

お盆と敗戦記念日にまたがるこの期間に夏の高校野球は開催されます。日本の8月は6日、9日、15日です。日本人が祖先や故郷そして祖国に想いを致す時季なのです。そのような感傷的な季節だからこそ、科学的で経済合理性過多の日常から抜け出したいのです。灼熱…

日大アメフト部騒動にみる義理の悲劇

日大アメリカンフットボール選手のレイト・タックル事件が巷の話題となっている。 昨日おこなわれた本人の記者会見をみると愚行はどうも本人の意志ではなかったようだ。 この不祥事にたいする日大の一連の対応はあの戦争末期に起きた特攻隊の悲劇を想起させ…

「淑女は何を忘れたか」-映画評

この名画が日経の日曜版ではコメデイと紹介されていました。実はコメデイに偽装して戦前のエリートを笑い飛ばした市井映画なのです。なによりも桑野通子には度肝を抜かれます。そのハツラツさは小津の遺作「秋刀魚の味」冒頭の岩下志麻を彷彿とさせます。 桑…

「昭和残侠伝ー死んで貰います」 映画評

「止めはしないわ・・でも次は私だけの義理に生きて・・」と死地にむかう高倉健に縋る藤純子。匂うほどの艶かしさで演じた藤純子の演技がひときわ感動を誘います。義理に命を賭ける惚れた男への羨望とあきらめきれない想いを籠めた一言でした。恥ずかしながらこ…

俳優ー松方弘樹

「おやじさん、云うとってあげるが、あんたは初めから、わしらが担いでる神輿じゃないの。組がここまでなるのに、誰が血流しとるんや。神輿が勝手に歩けるいうんなら、歩いてみないや、のう!」「仁義なき戦い」第一作。松方演じる坂井鉄也が金子信雄演じる…

『秋の思想』ー河原宏〜書評

歴史はこざかしい認識論などで解するものでない。それは誠実さを尽くして生きかつ死んだ人の記憶とそれを追慕する人間像であると主張した著者の遺作。 源実朝から三島由紀夫まで情と志に生きた「人」の思想をその時代、社会背景から浮き彫りにする。 歴史観…

『コンテキストの時代』-書評

スマートフォンを失くすくらいなら自動車を失くした方がましだ!冗談ではなくそうかも知れないと思う人が少なからず存在するのではないだろうか。 急増するインターネット接続依存症その媒介助長機能として縦横無尽のスマートフォン。なぜか手許にスマートフ…

『帳簿の世界史』-書評

会計が文化の中に組み込まれた社会は繁栄してきた。この主張を裏付けるヨーロッパ政治社会史の手引書ともいうべき本です。その解析手法は秀逸で気楽な読み物として登場する人物、逸話への興味は尽きません。 無理を承知で勝手な時系列で要約をしてみます。 …

『暴力の人類史』-書評

西欧を主軸とした暴力(殺人を除く殺し合い)の歴史とその分析から人類の精神発展史ともいうべき論理を展開しています。 歴史学者をはじめとする暴力に関する膨大な資料を精査分類して古今東西の哲学から認知科学、進化心理学までの知見を駆使し分析したその…

『イエス・キリストは実在したのか?』  レザー・アスラン著 ー書評

実際のイエスは平和と愛を説いた救世主や宗教家ではなく、ローマ帝国とその権力に迎合したユダヤ教に対する武力闘争をも辞さぬ革命家であったことを明瞭に示した一冊。 イエスの死後そのメッセージを伝えるべき使徒は読み書きもできない農夫や漁師であり代わ…

書評『ハロウイーンの文化誌』

1938年10月30日、100万人が避難したといわれる米国CBSの火星人襲撃放送。じつはハロウィーン向けラジオ放送だった。 黒猫、魔女、カボチャというハロウィーンの主役三点はポーの「ユーラルミー」ホーソンの「ヤンググッドマン・ブラウン」アーヴ…

書評 「Q」ルーサー・ブリセット

1517年、ルターはローマ教会に抗議してヴィッテンブルクの教会に95か条の論題を張り出した。贖宥状批判に端を発した宗教改革運動はドイツ騎士戦争から農民戦争へと紛争は神聖ローマ帝国全土に拡大しシュマルカルデン戦争を経て1555年アウグスブル…

『シグナル&ノイズ』 書評

著者は統計専門家にして「マネー・ボール」で有名な野球データ分析会社の予測モデルPECOTAの開発者。2008年の米国大統領選挙の結果を予測し50州中49州を的中させたと解説にある。 ビッグデータの時代というが多くの予測が失敗をするようになった。 多くの失…

自動車のEV化に日本企業はついていけるか?

米国駐在から帰国した20年以上前のことです。なにげなくTVをつけると「モノより思い出」というナレーションが耳に飛び込んできました。TV画面に目をやると湖を前に車を止めた両親が車からランチボックスを降ろすと小さな子供と手をつなぎ楽しく野原に向かい…

『東ベルリンから来た女』ー国家への別離を静謐に描く名画。

とにかく題名がいい。(原題はBarbara)東ベルリンというだけで哲学的でミステリアスな雰囲気が漂う。1980年東ドイツ、東ベルリンから田舎の病院に左遷された小児科女医が主人公。落ち葉舞う侘しい街路の一角、病院前でバスから降り立つ主人公、古びた病…

カープ女子は現政権への異議申し立てである。

(3年前の投稿) 南海ホークスが消滅してからというものプロ野球への関心は薄れていた。しかし巨人や阪神など人気球団が札束を積んで他球団の主力選手を引き抜いていく、とくに地元フアンと球団が相携え育て上げた広島カープの選手を強奪していく、その傲慢…