bekiranofuchi’s blog

社会を独自の視点で描いてみたいという男のつぶやき。

東京オリンピック札幌会場は国民の責任

IOCは16日、東京五輪の暑さ対策の一環として、マラソン競歩を北海道札幌市で実施することを計画していると発表した。そして東京オリンピック組織委員会の森会長は「われわれが駄目だと言えるのか」と見栄を切った。その通りである。

民主主義日本の国民は為政者の森会長に恫喝されたのである。

なぜか、そもそも真夏の東京でオリンピックなど狂気の沙汰であることは日本人の常識である。それを目先のパンとサーカスに目がくらみ東京オリンピックを唯々諾々と黙認してきたその結果だからである。すなわち金権強欲主義に国民は民主主義を売り飛ばしたのだ。もちろんカネ欲しさに強行してきた東京都も政府も悪い。しかしこんな愚行の誘致疑惑を放置して必然性なき国立競技場の建て替えなど一過性の投資に血税を浪費され何ら異議申し立てをしなかった国民が一番悪いのではないか。森委員長のみならずIOCそして世界から民主主義精神の劣化とオモテナシとは真逆の無責任さを指摘されても仕方ないではないか。

為政者がオリンピックを真夏の東京で開催することを決めたこと自体が間違ってる。

デフレに加えて連続する災害の渦中に消費増税をするのは更に間違ってる。

最も間違ってるのオリンピックも消費増税大きなリスクがあることを一番よく知りながら異議申し立てを行い為政者にNOを突きつけなかった多くの国民である。

国会前に出向かずともスマホが身体の一部となりSNSが庶民の井戸端となった今日、

如何様にも反対の狼煙はあげられる。

他国を中傷誹謗する暇があるなら一度でいいから国民の責任とはなにかを考えてほしい。人はパンのみにて生きるにあらず。瀕死の民主主義を放置してはならない。

ようやく動いた北陸新幹線

 

台風の影響を受け例年より参加者の少ない同窓会が終了し実家に戻ったのはまだ暗くなる前だった。そして13日午後から北陸新幹線は動くだろうとのニュースを微塵も疑わず明日の帰り仕度をして床についた。ところが13日朝のTVに映ったのは水没した長野の新幹線車両基地である。北陸新幹線は富山ー東京間での復旧目処立たず、とのテロップが流れた。
急遽ウェブでJR東日本を開いてみると何と上田駅は「避難指示解除まで閉鎖」とあるではないか。これはまいった。JR高速バスも終日運休だ。上田バス、千曲バスも運休。しなの鉄道も全線ストップ。手の打ちようがない。そこで13日に東京に戻るのは諦めて14日の手立てを見つけることにした。まず上田駅に電話をしたが繋がらない。数度かけてみたが繋がらない。そうか避難してるなら駅員は駅に居るはずがないのだ。仕方ないので手当たりしだいにウェブをサーフィンしてこれはと思うところに電話しまくった。そして軽井沢からJRバスが横川まで定刻で運行していること、さらに長野県内では運休の信越線が横川から高崎まで間引き運転していることがわかった。高崎から先は高崎線が動いてる。よし明日はこれを使おう、しなの鉄道が動くことが前提だがと決めると心が軽くなった。

 

さて空いた一日をどうしようかと手を頭にやり散髪に行こうと思った。海外旅行で散髪に行く時間がなくこの際ちょうどいい機会だと高校まで行きつけの理髪店に行ってみた。ここで半世紀ぶりに理容師の新チャンと感動の出会いをしたがこの話はまたの機会に。散髪が終わり上田駅に電話をしてみたが、やはり繋がらない。お昼になったのでサイゼリヤでパスタを食べて外に目をやるいい天気だ。少し歩こうとJAでお花を仕入れて墓参に向かった。菩提寺の境内では住職の妹さんが台風で吹き荒らされた落ち葉を拾っていた。軽く会釈をすると、カナダからお見舞いのメール頂きまして誠にありがとうございます、と言う。なんのことかわからず、咄嗟にどういたしまして、と答えてすれ違った。そうか次女の住むトロントから家内が台風見舞いのメールを出したのかと気がついて振り向くと妹さんは門の陰に消えていた。寅さんの妹さくらさんのような人だ。爽やかな秋風が頬に心地よい。墓参を終えてまた上田駅に電話をしたが出ない。むかっ腹が立つのでコンビニでナナコを使いレッドブル仕入れ飲みながら上田駅まで歩いて向かった。駅に着くと数人が駅正面に張り出された通知を見ている。ウェブに記載された文章が貼ってある。「避難指示解除まで閉鎖」誰が避難指示をしてるのか?上田駅以外に閉鎖している駅がいったい何処にあるのか。上田市のほとんどが昼には避難解除になっている。アホらしい。無駄な詮索はやめて実家に戻り錆びついたコックをひねり熱いシャワーを浴びながらスマホでラジコを聞いていた。すると北陸新幹線は長野と東京の間で臨時便を出したと言う。何だと人をおちょくってるのか?
スマホでJRHPを見ると上田駅閉鎖の通知が消えていた。

 

14日は朝の3時に起きてJRHPをチェック。上田駅閉鎖の掲示がないのを確認。コンビニコーヒーを飲み5時40分過ぎに上田駅に着いた。切符販売窓口の前には20人ほどの行列ができていた。よく見ると窓口はまだ空いていない。行列の前にいる人に聞くと6時に開くそうだと言う。始発は6時24分と表示されている。私の持つ特急券は13日なので14日に変更が必要だ。だが乗車券は14日まで有効だ。この人数では始発に乗れない可能性が高い。窓口が開いたが一人だけの対応だ。時間が来たら改札を突破してやろう、下車駅で話せば済むことだと決めて列に並んでいた。すると駅員が全席自由席ですから指定席はありません、とアナウンスし出した。なにを今更、表示板に書いてあるではないか。ところが列の前の数人が切符販売機に向かい駆け出した。後ろの人が呟いた。指定席が取れんかったら並んでも仕方ない、この切符で行こうと連れを促し改札口に走り出した。自動販売機で指定席券が買えることを知らない人や列車運行表示板を見ない人がこんなにいるのだ。おかげで列は短縮して何とか特急券を14日に切り替えてホームに上がった。
駅ホームの表示板は12両編成が10両になっている。想定外の事態にコンピュータシステムなんぞと言うものは対応できないのだ。福島原発で白日のもとに晒されたように大企業の雇われ経営者も想定外の事態には対応できないのだ。列車に乗ろうとすると後ろから指定席券を私に見せて嘆く人あり下車駅で払戻し請求したらと言い放ちつつ車内に乗り込むと空席多数おまけに暖房が効いている。車内システムまでも壊れたのか。
もったいないの精神で水没車両は闇雲に廃棄などせず点検のうえ中古車仕立て自由席だけの列車で運行してみたらどうだろうか。お仕着せのおもてなしも切符点検の人手も要らぬぞとJRに言ってやろう。

関西電力の金品受領問題

関電側では恫喝されたと言う。しかし組織ぐるみで長期にわたり脅されていたという、そのことは組織のコンプライアンス問題ばかりでなく事業そのものが世間に対する疚しさなり表面化できない後ろめたい問題を抱えていたのではないか。しかも動いた金の出どころと元手はすべて税金ではないか。
この問題は一企業の醜聞ではなく日本全体を席巻する金権強欲主義の象徴ではないだろうか。金権強欲主義とは文字通り、この世界は金さえあれば思いのまま如何ようにでもできる、金が全ての価値に優先するのだからあらゆる手段を使い金を手にすることを目指すイデオロギーのことである。

このイデオロギーを助長したのが日本国家の収奪システムある。
その原因は収奪的な政治制度(権威主義、独裁的)と収奪的な経済制度(高賦課税、アベノミクスという名の中央指令型計画経済)にある。
さらに為政者の論理性を無視した自己陶酔と膨張本能が収奪制を盤石のものとしてきた。

金権強欲主義の主役は政財官界のエリートだった。ところが今回の主役は町役場の元助役である。強者が権力を盾に弱者から金をはじめとする権益を巻き上げるのが従来の収奪制度だったが今回は弱者ではないものの町役場の管理職が天下の大企業を相手に収奪を行なったようなのだ。まさに下克上であり収奪戦国時代の幕開けを告げるような出来事に思えてくる。

それはまた日本という国家の没落を加速化することになろう。

安倍改造内閣は右翼強硬派か?

安倍改造内閣の新大臣の顔ぶれを見て右翼化という論調があるが本当だろうか。

安倍首相は改造内閣について、安定と挑戦の内閣だという。

そもそも右翼とは過去の視点から現時点を解釈するものであり安定はともかく挑戦などとは水と油である。

また寛容性と多様性が右翼の本質であるが、首相を筆頭に新大臣たちには、とてもそのような様相が見てとれない。

偏狭な主観と独善で異論を封じ込め弱者を切り捨てる国民搾取の内閣である。

 

 

グリーンランド購入は理にかなっている

トランプ大統領デンマーク政府の実質管理しているグリーンランド島を購入したいと発言した。島全体が氷に覆われ人口5万6千人のグリーンランドを買いたいというので日本では失笑を買っている。

 

しかし地政学的にみるとトランプ大統領の意図は明確に浮き上がってくる。

 

第二次世界大戦終了後の1946年、トルーマン大統領は1億ドル相当の金塊と引き換えにグリーンランドアメリカに譲って欲しいとデンマークに交渉した。その理由はソビエトとの冷戦が始まっており北極点を超えてソビエト戦略爆撃機が襲撃してくる可能性があることだった。そのリスク回避のためには、北極点に一番近い陸地にレーダーサイトを作りソビエトから戦略爆撃機が飛んでこないか監視することが重要であった。しかし、その交渉は成立しなかった。それでもアメリカは1953年からグリーンランドの一番北西寄りのチューレに空軍基地を作りレーダーサイトを置いて監視をしている。

 

今度のトランプ大統領の目的はロシアではなく中国であろう。グリーンランド北辺の北極海は近年になり氷が急に減ってきたので、船が運航できるようになりそうだという。氷が無くなるとグリーンランドの金、亜鉛、石油などの地下資源が採掘しやすくなるであろう。しかし、ここに勝手に手を出すことはできない。アメリカ、カナダ、ロシア、スウエーデンなど北極圏の中に領土を持つ8ヵ国が、北極協議会を設置しており、そこで決める事になっている。日本はフランス、中国、ドイツなど12ヵ国でオブザーバーとして参加をしている。

 

中国は北極に領土はないが近傍諸国を取り込もうとしているようだ。2018年に氷のシルクロードで北極圏を周りアジアとヨーロッパを一帯一路経済で繋ぐと言い出した。

 

そこでアメリカもうかうかしていられない、というのがトランプ大統領の発言の背景ではないか。

さらにシリコンバレーの有力企業は世界の水不足を先取りしてグリーンランドの氷から水ビジネスを目論んでいるとの噂もあるようだ。

GSOMIA破棄を驚くのは意外だ。

私が意外に思ったのは貿易管理で韓国は信用できないと判断した日本がGSOMIAを破棄した韓国に驚くということでした。
日本が驚いたというのは韓国がGSOMIAを継続することは当然のことだと
考えていたからだと思います。
もしそうであれば、貿易管理という国家の安全保障上から重要度の低いものは信用しないが逆にGSOMIAのようにレベルの高いものに関しては韓国を信用していたいというのはおかしな話であり論理の矛盾ではないか。
論点は韓国の対応ではなく信用という論理展開の問題で日本の反応は意外でした。

年金の財政検証に何の意味があるのか。

年金制度の仕組みはすでに破産が明白である。

しかし厚生労働省は27日、公的年金制度の財政検証結果を公表した。経済成長率が最も高いシナリオでも将来の給付水準(所得代替率)は今より16%下がり、成長率の横ばいが続くケースでは3割弱も低下する。60歳まで働いて65歳で年金を受給する今の高齢者と同水準の年金を現在20歳の人がもらうには68歳まで働く必要があるとの試算も示した。(日本経済新聞、2019年8月28日朝刊)

年2%のインフレ目標さえ2年で達成するといいながら6年経過しても達成のめども立たない状況にある。また産業構造が金融資本主義からデータ資本主義に移行しており国民の勤労形態や所得構造も大きな変動が予測される。

かような経済状況のパラダイムシフトを示さず根拠なき経済成長率のみを前提にして、将来の給付水準を予測することにいかなる意味があるのか。

エリートの無責任な自己満足でしかないのではないか。

やるべきは現行システムの手直しなどではなく年金制度の新しい仕組み作りであろう。しかし国家ビジョンがなくてはその発想も生まれない。国家の大計なき日本の悲劇だ。