2020-11-03 トランプ大統領と福音派 トランプ 米国 アメリカの福音派がトランプ大統領の支持基盤であるという話があります。 アメリカの政治学者Mark Amstutzがプロテスタントと福音派について詳細な考察を展開しています。 その内容を要約すると以下のようなものです。 アメリカがピューリタンによって建国されたというのは神話であり、移民たちは故郷の教会をそのまま 新大陸に持ち込んだ。ドイツ系移民はルター派、北欧移民は北欧ルター派、アイルランド・フランス・ポーランドやラテン系諸国はカトリック、ギリシアはギリシア正教…。 プロテスタント主流派(Main Lineと呼ばれる)は、ルター派、長老派、メソジスト、バプティスト。 その他の教会は、会衆派、クエーカー、ホーリネス派、ペンテコステ派、アドベンテスト派、米国聖公会。 これら宗派(denominations)を横断する特有の傾向を示す二つのグループがあり、その一つが 福音派(evangelical)です。もう一つは原理主義(fundamentalIsm)と呼ばれています。 原理主義とは、聖書がそのまま正しいと信じ進化論を学校で教えることに反対。中絶や同性愛に反対しています。 福音派とは、原理主義よりも聖書の解釈には緩く、主流派と原理主義の中間の道を探ろうとする。 以上の要約から私の理解するところでは、 プロテスタント各派は政治的な意見を有するグルーピングではありません。 福音派はプロテスタントの30%程度占めるといわれプロテスタント各派の横断的な信仰深い人達です。 画一的に福音派をトランプの支持基盤とみなすことは危険だと思います。