bekiranofuchi’s blog

社会を独自の視点で描いてみたいという男のつぶやき。

醜の御盾

「なぜ支持率3割政権が勝手に決めるのか 防衛費倍増」これは昨日の日刊ゲンダイの記事見出しである。
防衛と聞いて想起するのは防人歌「今日よりは顧みなくて大君の醜の御盾と出で立つわれは」〈万葉集 四三七三)である。

「大君」とは天皇のこと、故郷に家族を残した防人の心情を詠んだものとされる。

日清戦争からあの大戦まで防人は大日本帝国の兵士が担っていた。戦争末期に本土決戦を控え一億総国民が防人とされたが「大君」は変わることなく天皇であった。そして戦後に天皇は国民の象徴となり、「大君」は国民に、御盾は自衛隊にすり替わったものと私は錯覚していた。しかし現実はとうに菊に代わり「星条旗が大君」となり自衛隊でなく「日本国土そのものが御盾」となっていたのだ。

そうなると国歌はどうなるのか。「君が代」ではなく、「海ゆかば」(海行かば水漬く屍山行かば草生す屍大君の辺にこそ死なめ顧みへりみはせじ。信時潔 詞)が相応しい。いざ星条旗のもと水漬く屍に...。