bekiranofuchi’s blog

社会を独自の視点で描いてみたいという男のつぶやき。

資本主義は末路に向かう

資本の果てしなき増殖のため、

人工的なバブル創出を繰り返してきた資本主義が近ごろ注力しているのは、惨事便乗型資本主義(略奪による蓄積と新自由主義的経済政策の押し付け)のようです。その最終版ともいえるのが脱炭素化に向けた再生可能燃料へのエネルギーシフトという新たなバブル(グリーンバブル)の熾りだと思います。なぜなら、グリーンバブルはcommon(人類共有の富)を取り戻す世界的な反成長運動を本質とするものですから、資本主義の再生どころか自殺行為となりかねないからです。
惨事便乗型資本主義の巧妙なシナリオは、第二次大戦の終わりまでに切迫する社会革命への恐れがもはや現実的でなくなると核兵器による大量虐殺の亡霊を直ちに出現させ、そしてそれが現実的でなくなると「地球温暖化」を発見したのです。資本主義という化け物は不断に自分自身の消滅の手段を想像するか、あるいは実際に生み出す必要性つまりバブルが不可欠なのです。

 

化け物としての資本主義は人間社会の共通的富=共通財産=common(*)を物理的形態と社会的形態の両方から驚くべき勢いで破壊してきました。
 (*)二つのcommon
   ・物理的形態(物質世界)とは、空気、水など自然の賜物
   ・社会的形態(社会的生産の諸要素)とは、知識、言語、情報など社会を構成し発展させる諸元

その結果、世界中でcommonの私有化と専有化が進んでいます。無限の富の追求=利益至上主義が民主主義と資本主義のハネムーンに始まった国民国家至福の時代を終わらせ今や国民の分断と民主主義国家の崩壊を加速させているのです。
資本主義とは社会主義と同様にcommonを排除する所有制度であることが明白となったいま、

経済成長が幸福をもたらす社会的進化であり美徳でさえあるという成長神話は完全に終焉しました。
 
コモンを取り戻す=「脱成長コミュニズム」(斎藤幸平「人新生の資本論」)言うなれば意図せざる「打倒資本主義」は世界の趨勢になっていくものと思います。