bekiranofuchi’s blog

社会を独自の視点で描いてみたいという男のつぶやき。

民主国家と強権国家

国際情勢を論じる際に民主国家と強権国家という二項対比を前提とした議論が盛んです。しかし私はどうも気になって仕方ありません。二項対比は是非を論じるに容易な手段ではあります。しかし、ふたつの陣営を比較する前にまず「国家」とは何か、その本質を明確にすることが重要だと思います。

わたしは民主、強権いずれの国家もその本質は「国民国家」であると思います。
国民国家とは何か、わたしは次のように考えます。

"ほとんど人為的にすぎない国境や不可逆な民族(フィジカルな)を物理的基礎に置きつつ、
観念としての国民というフィクション(メンタルな)を精神的依拠とし強制的に
同化と統合を図ることで成立する形態″

したがい民主、強権や専制など国家という言葉に前置された形容詞の意味するものは政治社会形態の違いであると思います。
フィジカルとメンタルを強制的に同化させた国民国家とは生来の統合失調症といえます。そんな宿命を背負った国民国家は、
国内外で様々な矛盾や差別を噴出させ、フィジカルとメンタルの相克を図ってきました。しかし相剋不能の表層的妥結への正当化と拒絶
を繰り返し思想的葛藤と政治的競合は混迷と劣化来たしてきたと考えます。
「民主国家と強権国家の議論とは」
国民国家という本質には言及せず、"いまここだけの状況"論から民主と強権との
ラベル張りをしているにすぎないのではないでしょうか。

追記)
このような国民国家とは被動的国民がメジャーであり、
主動的国民がメジャーたるべき主権国民国家というものを目指すべきであります。
主権国民国家はいまだ形成途上にあり、他国民との文化・伝統の差異性を理解し承認することで排他性に拠らない自己確立を遂げつつ、同時に国家としての同質性(ジェンダーなど多様性の容認と平等性の担保など)の認知を国際的に求めなければならないという、これまた矛盾した要請にさらされている状況と思います。