10月14日の報道によると「河野太郎デジタル相はマイナンバーカードと健康保険証の一体化に伴い紙やプラスチックカードの健康保険証を2024年秋に廃止する方針を発表した。既存保険証の新規発行を停止することで、マイナンバーカードへの置き換えを推し進める狙い」だという。
個人番号は2015年から個人への配布がはじまり健康保険証とともに国民に普及しており、国民の側に特別の問題もないのになぜマイナバーカードに一体化する必要があるのか。
そもそもマイナンバー制度は、国民の利便性の向上、行政の効率化、公平公正な社会の実現を目的としたものである。ところがマイナンバーカードの申請から入手、さらにこのカードと健康保険証を連携させる煩雑さは尋常なものではないと聞く。経済評論家の森永卓郎さんはマイナポイント欲しさでマイナカードを申請したがデータの連携がうまくいかず取得をあきらめたという。このようにカード入手の労力を片務的に国民に負担させるとは国民の利便性よりも行政の手間の省力化ではないかとさえ思えてくる。
また多くの人は疑問に思わないようだがなぜマイナンバーは12桁もあるのだろうか。
マイナンバーは死んだ後でも有効ゆえ12桁もの数字が必要だと私は推測している。
死後も有効な個人番号さらに健康保険証との強制一体化カード、末恐ろしい国家の恫喝を感じる。
寡聞にして死亡後も有効な個人識別番号が世界のどこかにあると聞いたことがない。
マイナンバーカードは交付開始から6年を経過したが普及率は50%程度であり、政府は普及率向上策として子供だましにすぎないポイント付与策まで掲げてみたものの成果は思うように上がらないようだ。
そこで国民の生命(健康保険証)を人質にしてマイナンバーカードの取得を強制しようというのである。そこまでマイナンバーカードの普及に血道をあげるのはなぜだろうか。
子育てに関する行政手続きがワンストップでできたり、行政からのお知らせが自動的に届くと謳うマイナンバーカードのオンラインサービス、マイナポータルがある。このサービスは総務省が監督官庁である。ところがデジタル庁ができるとマイナポータルについてQ&Aなる記事がデジタル庁にアップされた。監督官庁が増えたようだ。
甘い蜜には蜂が群がるという。
マイナバーカードと健康保険証の一体化、その目的はどうも監督官庁の権益拡大と官僚天下り先の受け皿確保と拡充のためのように思えてくる。
『2021年3月の衆院内閣委員会で、当時首相だった菅義偉氏は、マイナンバー制度に関して国が支出した費用は過去9年間で8800億円に上ると明らかにした。
国はカード普及のため、さらに1兆8000億円を投じようとしている。カードのメリットを盛んに強調するが、その費用対効果にまで言及することはほとんどない。