bekiranofuchi’s blog

社会を独自の視点で描いてみたいという男のつぶやき。

天皇

憲法記念日に思うこと

憲法記念日に思うことは毎年のように同じことだ。 一つは、我が国は名目だけは独立国家というものの未だ占領下から脱し得ない状態つまり永久敗戦国であるということ。 もう一つは、その状況を変革しない限り、憲法を改正したところで独立国家になるわけでは…

待ちと期待の革命

二・二六の青年将校はおそらく事件当日に自らを革命の起爆剤へと純化させたのではないだろうか。貧苦の渦中にある国民に先駆けて自分たち先進的精鋭が決起すれば、広範な国民勢力は必ずや立ち上がるはずだと。 この思考は1960年全学連の安保闘争に継承された…

ニ・二六事件 外伝(後)

3月5日この日、入院将校中の最上席者であった金岡中佐から昼食をともにしたいと申し出があり、寿はありがたくお受けした。最後の昼食をとったあと中佐あてに残した歌がある。 ”武士の道と情を盛り上げし 昼餉の味のいとど身にしむ” 入院以来、寿に付き添って…

甘えの構造

国民に対する政府の欺瞞を欺くため大日本帝国が掲げた大義名分とは「天皇」であった。 錦の御旗「天皇」のもとあらゆる不条理に耐え時には生命さえ捧げることが大義に殉ずる帝国国民とされた。国民は「天皇」へ没人化して、己の心情に逆らう欺瞞を取り繕うし…

憲法と国家の独立性

(占領下に公布された憲法) 1945年9月2日から1952年4月28日まで日本は連合国軍(米軍統治部隊)の占領下におかれていました。そして日本国憲法は1946年11月に公布、1947年5月に施行されています。 憲法が公布されたのは連合国軍の…

二・二六に思う。

二・ニ六事件から83年目の2月26日がやってきました。 近ごろ思うのは、あの出来事は軍部独裁化への引き鉄や大東亜戦争への誘導要因ではなく、戦後日本の姿を方向づけた官僚性の原点だったのではないかということです。 二・二六事件の本質とは、軍部クーデタ…

擬制国家に終幕を

昨年NHKが全国の18歳と19歳、1200人を対象に行った世論調査によりますと、日本が終戦を迎えた日について、14%が「知らない」と答えました。 12月8日について質問をしても同様な認知度でしょう。 スマホとSNSに没頭する若者、マネーゲー…

昭和天皇は平和主義者なのか。

昭和天皇という人はいつも分限とか格好にこだわり、国民心情とくに貧者や弱者への洞察と寛容には欠けた小心狭量な人物であったと思います。さらには立憲君主主義者でも平和主義者でもなかったのではないかと思われます。 このような推測の根拠となる例を挙げ…

「二・二六に思う」ーあの日の雪は汚れていたのかー

天皇が年頭の感想で語った満州事変に始まるあの戦争は敗戦から70年、そして今日は雨降りの2月26日、二・二六事件79年目の記念日となる。 あの戦争は国民不在の状況で哲学なきエリートと既得権益者が結託した戦争であり金権強欲主義の敗北でした。 一方、明治…

《二・ニ六事件の謎》

今日は二・ニ六から82年目の2月26日。 この事件が未だ謎であることを指摘してみます。 歴史教科書では、次のような説明をしています。 「政治的発言力を増した陸軍の内部では、隊付きの青年将校を中心に、直接行動による既成支配層の打倒・天皇親政の実現を…

二・二六事件とは何だったのか。

この事件は陸軍を二分した「皇道派」と「統制派」の内部抗争に端を発した軍部クーデタだった。そしてクーデター失敗により失墜した皇道派にかわり陸軍の覇権を掌握した統制派の独裁が進展した。その結果が軍部の暴走を招いた, というのが通説です。 私はこの…

『日本人の「戦争」』

日本人の精神構造からあの戦争とはなんだったのかを抉る。その論考は哲学的深淵に至る名著。 楠正成、織田信長の戦から明治へと身分差別を打破して国民の時代を築いた日本。日清・日露は「国民の戦争」を戦うことができた日本。 しかし文明開化は欧米人でも…

12月8日に考える。

12月8日に考えること。 それは、なぜ戦争は始まったのか? 分岐点はいつだったのか? なぜ戦争に敗れたのか? である。 敗戦直後の1945年11月、わが国は戦争への道を自らの手で検証しようと国家的プロジェクトを立ち上げた。それが戦争調査会だった。幣原喜重郎…

自虐史観のどこが悪いのか。

日本が戦った大東亜戦争のおかげで多くのアジア植民地は独立することができたのである。それなのに日本に感謝するどころか逆に謝罪を要求するとは恩知らずだという人がいますが、それは日本人が言うことではないでしょう。 ヤマトタケルのように卑劣で残虐な…

教育勅語と森友学園騒動の文脈

「父母に孝・・・夫婦相和し・・・」 という教育勅語の徳目のみを抜き出して、いいこと言っているという表層的な論調が目につきます。 そこで教育勅語、愛国、森友学園の三点セットから読み取る政治の文脈についてです。 教育勅語の徳目について。 教育勅語…

「終戦の虚妄を排せ」

特攻に出撃する青年を「俺も後に続くから」と送り出した指揮官が昭和20年8月15日になったとたん「戦後復興に力を尽くすことが大事だ」と言い出す。他人に死を命じながら命を賭した約束を反古にした人間とこれを許容してきた国家、日本の戦後はどんな社会をつ…

天皇陛下の譲位と国体

日本国憲法の第1章は「天皇」です。その第1条(天皇の地位、国民主権)には「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する国民の総意に基く。」とあります。 しかしもっとも重要な第1条に国民の権利・義務や戦争放棄で…